本年度の主な活動は2つあった。1つは、小学校での授業経験の更なる積み重ねであり、もう1つは社会的な啓蒙活動であった。 日野市立東光寺小学校で行っている授業の中で、新たに作成した剤型モデルと新たに購入した人体消化器系モデルを使ってみた。特に小学生の興味を引いたのは後者であった。人体の構造の細かな点について、小学校3年生は想像以上の興味を抱くことが改めて確認できた。薬学教育の導入部にとって「人体の構造の教育」は強力なモチベーションを誘導すると思われる。 次に、社会的な啓蒙活動についてであるが、薬事日報誌の記事が掲載されたことで、1件の講演依頼と1件のホームページ掲載依頼を受けることができた。講演は、30社以上の開発型製薬会社が参加している日本レーダー協議会の定例月会で行った。その報告書が機関誌に掲載されると、今度は神奈川県薬務課が委細についてインタビューを申し入れてきた。県内の麻薬撲滅を視野に入れた活動・キャンペーンを企画するとのことであった。一方、我々の活動が日本薬学会ホームページに掲載されると、ごく最近になって日本製薬協会からキャンペーン用の記事依頼があった。 以上のように、「小学生の薬学教育」には製薬業界と地方自治体が一般市民に先駆けて強い関心を抱くことがわかった。そこで我々の行動目標は、このような社会の媒体を通じて行われるであろう青少年の薬学教育が正しいものであり続けるように、常に監視することであるとの確信を抱くことができた。
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