研究概要 |
本研究は主に,(1)教育用画像処理ソフトウエアの開発,(2)遠隔操作望遠鏡の開発,(3)ネットワーク上での学びの共同体作り,の3つのパートから成り立っている.以下,各項目毎に進行状況を述べるが,全体としては,来年度のまとめ・評価フェーズに向けて順調に作業が進んでいる. 1.教育用画像処理ソフトウエアの開発 2種類のFITS画像解析ソフトウエアの開発を進めている. (a)IRAFを用いたネットワーク指向型タイプ IRAFをベースにサーバ/クライアント方式でわかりやすいグラフィカルユーザインタフェースを開発した(東京理科大学生の小池邦昭との共同研究).中学生でも簡単に星の明るさが測定できるソフトウェアを試作し,東京学芸大附属中学での公開研究授業にて実践と評価を行った.この結果に関しては,2本の論文にまとめ,「地学教育」誌に投稿中である. (b)市販ソフト「ステラーイメージ」の教育普及版開発 JSTの「IT活用による科学技術学習支援事業」と協力し,測光機能を含む教育利用に限りフリーで配布可能なWin用画像処理ソフトウエアの開発を進めている(平成14年度中に完成・配布予定). 2.遠隔操作望遠鏡の開発 科学技術館,理化学研究所情報基盤部と協力して,科学技術館屋上に口径40cmインターネット制御望遠鏡(通称:KIT)を開発した.冷却CCDカメラST-8Eと6色のフィルターを用いて,リアルタイム撮像とWebでのリクエスト撮影の2つのモードでの観測・画像配布を,平成14年4月から開始予定である(2002日本天文学会春季年会にて発表予定). 3.ネットワーク上での学びの共同体作り 国立天文台の天文普及事業の一つであるPAONET(公開天文台ネットワーク)内にFITS画像の教育利用を前提にしたワークグループをスタートした(FITS画像提供ワーキンググループ,代表:洞口俊博).すばるや木曽シュミット画像をWG内の学校教諭に配布し,授業利用について検討をお願いすると同時に,数回の合宿勉強会を行い,学びの共同体の在り方も含め検討中である.
|