研究概要 |
本年度は,非線形モデリングに本質的なモデルの評価・選択問題について研究し,以下のような研究成果を挙げた. 1.非線形モデルは,複雑な現象構造の分析に必要不可欠なものであるが,ノイズを含み確率的に変動するデータ,特に高次元データの分析に対しては大規模な非線形モデルを用意する必要があり,モデルの構築過程で様々な問題が生じてくる.本研究では,モデルの推定,評価,選択の問題をベイズアプローチによって研究し,応用上有用な推定法,評価法を研究中である. 2.多層型パーセプトロン,動径基底関数ネットワークに基づく非線形回帰,識別・判別問題について,正則化法で推定されたモデルの評価と選択法について理論的・数値的に研究した.提唱した情報量規準とこれまでに用いられてきたネットワーク情報量規準などの評価規準を実データの解析,モンテカルロ法によって比較検討し,それぞれの性質を明らかにした.本研究を通して提案した非線形モデリング手法は,汎化能力に優れた非線形手法で実際問題への適用上有効に機能することが分かった.現在,医学・疫学データ,遺伝子構造データ,リモートセンシングデータの分析への応用研究を推進中である.
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