研究分担者 |
及川 賢 株式会社オイカワ製作所, 代表取締役・研究職
坪根 斉 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (50163879)
菅原 光政 岩手県立大学, ソフトウエア情報学部, 教授 (60196706)
竹野 健夫 岩手県立大学, ソフトウエア情報学部, 助手 (10305302)
大場 允晶 日本大学, 経済学部, 助教授 (40328670)
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研究概要 |
近年では,コンピュータとネットワークの発達により企業間において情報連携が可能となっている.標準プロトコルに基づいて発注書や納品書を発行するEDI(Electronic Data Interchange)の仕組みや原材料・部品の調達から生産,物流,卸,小売まで異業種間で情報をやり取りするSCM(Supply Chain Management)があげられる.この物流と情報のチェーンの関係をバーチャルファクトリーを用いて明らかにすることが本研究の目的である.一方で消費者ニーズの多様化に伴い,商品品質が企業競争力の大きな要因となっている.特に生鮮食品は,消費者からの鮮度に対する要望が強いため,使用する材料の品質管理が重要である.この材料は時間経過とともに鮮度が低下し,季節変動性が高いという特徴を持っている.したがって,機械製品や家電製品のように,材料が腐敗せず一定品質を常時確保できることを前提に生産計画を立案することはできない.生鮮食品のサプライチェーンの中では製造工程の材料準備工程がボトルネックとなっている.そこで本研究では,品質要素と保管方法との関連性を分析し,材料の品質面を重視した材料供給の決定モデルを提案した.このモデルを実現させるためには,材料の保管方法と保管数量を決定する仕組みが必要である.その決定支援システムを構築し,実験を行った.実験結果から,材料保管方法が製造のパフォーマンス(品切れ率,腐敗率,非冷凍率,最大在庫量)に与える影響を明らかにし,提案モデルの有効性を検証した.この成果を6th International Symposium on Logistics(オーストリア,2001年7月)で発表した. 今後は,提案モデルを円滑に運用していくためのパラメータの設定,意思決定システムについて明らかにする.
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