積雪期における地震の発生に対する直後対応には多くの困難が伴うことが予想される。特に積雪寒冷地では冬の対策を抜きに地震防災計画を立案することは考えられない。積雪期の地震直後の対応のあり方を探り、具体的な方策を示すことを目的とし、2年間で計画している。本年は初年度に当たり、既往の災害における事例調査から始めた。1993年釧路沖地震を対象に各種被害報告書、行政の対応資料を中心に文献調査を進めた。釧路沖地震発生時には積雪はなかったがその後積雪があり対応活動に影響を与えている。最近の雪害事例として、2000年1月北海道東部を襲った季節外れの大雪を取り上げ文献調査を行った。釧路市については現地調査を実施した。釧路市の防災担当と道路維持管理担当との両者に対する聞き取り調査を行い、災害対策本部の設置から解除に至る間の対応、除雪作業の時系列的対応に関する資料を収集・整理した。道内では比較的積雪の少ない釧路地方における例外的な大雪に対する除雪の難しさ、除雪体制の問題点、積雪期における地震防災の問題点などを聞き出すことができた。また、釧路市立図書館において、2000年1月の雪害に関する新聞記事(釧路新聞、北海道新聞釧路版)を閲覧複写した。関連記事について、雪害の実態、影響範囲、市民生活への影響、除雪及び行政の対応などの項目別に時系列的整理を行い、問題点を明らかにした。
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