研究課題/領域番号 |
12878108
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大友 征宇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10213612)
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研究分担者 |
小林 正幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70271864)
野澤 庸則 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10006322)
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キーワード | 光合成 / 膜蛋白質 / 光捕集系 / 核磁気共鳴 / 色素 / バクテリクロロフィル |
研究概要 |
平成12年度には、まず色素・膜内蛋白質複合体(LH1)の単離・精製条件の最適化と色素(BChl a)の選択的及び全^<13>C標識から着手した。NMRの測定にはこれまで最も高濃度(2mM)で、しかも室温で安定な均一再構成B820サブユニットを作成することに成功した。^<13>C標識した色素を組み込んだ再構成試料と重水素界面活性剤オクチルグルコシド(OG-d)を用いることにより、生理的活性を持つ色素膜蛋白複合体で、初めて色素由来の高分解能^1H-^<13>C相関スペクトルを得ることができた。ここで、観測された幾つかの特徴について述べる。 1.色素と膜蛋白質との複合体形成に加え、界面活性剤によるミセル化の影響で、スペクトルの著しい広幅化が^1Hと^<13>Cの両方において見られた。特に、バクテリオクロリン環の運動性が長鎖フィトール基に比べて著しく制限され、ポリペプチド骨格にバクテリオクロリン環が高度に固定されていることが分かった。 2.多くのシグナル分裂が観測された。例えば、3^2,12^1とP3aのメチル基プロトンが2本の共鳴シグナルを与え、8^2のメチル基プロトンは4本のシグナルに分裂している。特に、ピロール環IIとIIIに結合する側鎖のプロトンにこのような傾向が強い。これは色素分子のこれらの官能基が二量体サブユニットの中で、わずかに異なる磁気環境中に置かれていることを示唆している。 3.複合体中における色素分子の化学シフトが有機溶媒中のものと比較して、大きく変化している。変化の大きい官能基は主にピロール環IVとVに集中し、その中で特に8^2のメチル基プロトンは最高で1.1ppm高磁場側ヘシフトした。これらの変化は主にポリペプチド側鎖及び色素分子同士との相互作用によるもので、色素蛋白複合体を形成する上で重要なアミノ酸残基の特定に有用な原子レベルでの情報を与えるものと考えられる。
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