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2001 年度 実績報告書

好冷性酵素の構造と低温での特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12878112
研究機関関西大学

研究代表者

左右田 健次  関西大学, 工学部, 教授 (30027023)

研究分担者 河原 秀久  関西大学, 工学部, 助教授 (10234105)
白岩 正  関西大学, 工学部, 教授 (10067746)
小幡 斉  関西大学, 工学部, 教授 (00067646)
キーワード好冷菌 / 低温菌 / 好冷性酵素 / アミノ酸デヒドロゲナーゼ / バリンデヒバロゲナーゼ / アルデヒドデヒドロゲナーゼ / アルコールデヒドロゲナーゼ
研究概要

1.南極の海水より単離したCytopliaga sp.KUC-1を微生物分類学的に精査し、好冷菌と低温菌の双方に分類され得るユニークな特性をもち、16SrRNAの配列もこれを裏付けることを明らかにした。
2.本菌由来の好冷性バリン脱水素酵素の全一次構造(370アミノ酸残基)を決定し、Streptomyces coelicolor, S.fradiae の酵素と高い相同性を示すが、その好冷性は一次構造だけでは説明し得ないことを明らかにした。また、好冷性L-スレオニン脱水素酵素,リンゴ酸脱水素酵素の一次構造も大部分を決定し、三次構造研究に入りつつある。
3.三次構造決定の目的でバリン脱水素酵素の大量発現系を構築し、種々の条件での結晶化に成功し結晶学的解析を行っている。
4.好冷性酵素では研究例のないアルコール脱水素酵素,アルデヒド脱水素酵素,バリン脱水素酵素の水素移転がプロ-R特異的,リンゴ酸脱水素酵素のそれはプロ-S特異的に進行することを証明した。
5.Cytophaga sp. KUC-1由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼが本来の脱水素酵素反応以外にp-ニトロフェニルアセテートやα-ナフチルエステルなどの芳香族エステルに対するエステラーゼ反応をも触媒することを見出し、基質特異性や種々のキネティックパラメーターを測定した。さらに補酵素NADは本エステラーゼ反応を競合阻害的に、基質ベンツアルデヒドは混合阻害的に強く阻害することを実証した。
6.Cytophaga sp. KUC-1のアルコールデヒドロゲナーゼとアルデヒドデヒドロゲナーゼの両反応を共役することにより、従来の方法より高い感度で種々のアルコールを正確に定量する方法を確立した。両デヒドロゲナーゼは高い安定性を示すので、臨床分析,食品分析,環境分析などの広い分野で応用可能なことを明らかにした。両酵素の単独反応で各種の基質アルコールやアルデヒドを定量することも可能であり、酵素標品を低温下で保存する必要がない点で従来の酵素に比して大きな長所をもつ。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Soda K.: "Structure and function of psychrophilic alanine racemase"Journal of Molecular Catalysis B : Enzymatic. 12. 27-35 (2001)

  • [文献書誌] Soda K.: "Psychrophilic valine dehydrogenase of the antarctic psychrophile, Cytophaga sp.KUC-1,Purification. Molecular characterization and expression"Eur. J. Biochem.. 268. 4375-4383 (2001)

  • [文献書誌] Soda K.: "Increased Transglycosylation Activity of Rhodotorula glutinis Endo -β Glucanase in Media Containing Organic Solvent"Biosci. Biotech. Biochem.. 65(8). 1889-1892 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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