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2002 年度 実績報告書

好冷性酵素の構造と低温での特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12878112
研究機関関西大学

研究代表者

左右田 健次  関西大学, 工学部, 教授 (30027023)

研究分担者 白岩 正  関西大学, 工学部, 教授 (10067746)
小幡 斉  関西大学, 工学部, 教授 (00067646)
老川 典夫  関西大学, 工学部, 助教授 (80233005)
河原 秀久  関西大学, 工学部, 助教授 (10234105)
キーワード低温菌 / 好冷性酵素 / アルデヒドデヒドロゲナーゼ / アスパルターゼ / アルコールデヒドロゲナーゼ / 耐熱性酵素
研究概要

本研究では、南極海水から単離した低温菌Cytophaga sp.KUC-1の酵素を対象として、酵素科学的,物理化学的性質を解明するとともに、好冷性酵素の構造と低温での特性を解明することを目的としている。本菌由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼは、低温菌由来の酵素であるにもかかわらず、60℃付近に最適反応温度を示し、中温菌酵素と比較してもかなり高い耐熱性を示した。アレニウスプロットの結果、32℃に遷移温度を持つ二相性が認められ、低温域での活性化エネルギーは中温菌からの同酵素の示す値より低い。すなわち本酵素は耐熱性を示すと共に機能的にも低温条件に適応していると考えられる。円二色性の測定結果も32℃付近での大きな変化を示し、熱による構造面での変化が触媒作用の促進と良く相関していた。本酵素の構成アミノ酸残基中のIle残基含量が高く、本酵素がより強固な疎水性コアを形成しており、高い耐熱性発現の一因となっていることが示唆される。本菌由来のアスパルターゼも耐熱性と好冷性の双方を示し、大腸菌やBacillus属細菌の同酵素のアミノ酸配列と比較した結果、分岐鎖アミノ酸残基数に対するIleの数の比率が好熱菌Bacillus属酵素の値に近似することを示した。本酵素のC-末端のαヘリックス形成能が高いことや、コア形成能が高いことが本酵素の耐熱性発現に寄与していると考えられる。またアルコール代謝において最も重要な役割を果たしているアルコールデヒドロゲナーゼはK_m値が20℃で最大値を示すのに、最適反応温度が70℃にあり、50℃での活性半減期が200分以上の高い熱安定性を示した。Znを必須金属として含む事実に基づいて、本酵素の触媒機構を解明し、本酵素と上記のAldDHの両反応の共役により種々の基質アルコールを特異的に微量定量する方法を確立した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Yamanaka, T.Kazuoka, Y.Yoshida, K.Yamanaka, T.Oikawa, K.Soda: "Thermostable aldehyde dehydrogenase from psychrophile, Cytophaga sp.KUC-1 : enzymological characteristics and functional properties"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 298. 632-637 (2002)

  • [文献書誌] T.Kazuoka, Y.Masuda, T.Oikawa, K.Soda: "Thermostable aspartase from marine psychrophile, Cytophaga sp.KUC-1 : molecular characterization and primary structure"J. Biochem.. 133. 51-58 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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