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2000 年度 実績報告書

生体内のアポトーシス細胞除去を促進する新規血漿因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 12878117
研究機関神戸大学

研究代表者

山村 博平  神戸大学, 医学部, 教授 (90030882)

研究分担者 柳 茂  神戸大学, 医学部, 助教授 (60252003)
キーワードチロシンキナーゼ / Syk / アポトーシス細胞 / Bリンパ球 / 細胞貪食 / 血漿因子
研究概要

我々の研究室では以前より細胞内情報伝達機構におけるチロシンキナーゼの機能解析に従事してきた。とくに最近、酸化ストレスによるBリンパ球のアポトーシス制御機構においてチロシンキナーゼSykが重要な役割をしていることを証明してきた。一方、アポトーシスをおこした細胞は、通常アポトーシス小体になり最終的にはマクロファージや隣接する食細胞によって、速やかに貪食除去される。この過程はあまり研究が進んでいないのが現状である。このような状況下、我々は血漿成分中にアポトーシス細胞を特異的にアポトーシス小体からさらに細かい形態変化を引き起こす活性が存在することを見いだした。これらの現象はアポトーシス細胞を特異的かつ速やかに除去する未知のシステムが生体内のサイトカインや補体以外の血漿成分中に存在していることを示唆しており、このメカニズムこそが生体内でのアポトーシス細胞除去システムの本質である可能性が考えられる。今回、我々は生体内のアポトーシス細胞除去を促す未知の血漿因子の同定を試みた。その結果、大変興味深いことに人の血漿画分からその機能がほとんど明らかにされていない既存の酵素が同定された。この酵素は血漿中においてHDLと結合していることが知られている。また、予備的な実験結果よりこの酵素がアポトーシス細胞のスキャベンジャー機構に関与していることが示唆された。現在、どのようなメカニズムで特異的にアポトーシス細胞を認識し、形態変化を誘導し、貪食除去を促進するのかを解析中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hitomi,T.: "Requirement of syk-phosphlipase C-γ2 pathway for phorbol ester-induced phospholipase D activation in DT40 cells."Genes Cells. (In press). (2001)

  • [文献書誌] Tsujimura,T.: "Syk protein-tyrosine kinase is involved in neuron-like differentiation of embryonal carcinoma P19 cells."FEBS Lett.. 489. 129-133 (2001)

  • [文献書誌] Yamada,T.: "Protein-tyrosine kinase syk expressed in human nasal fibroblasts and its effect on RANTES production."J.Immunol.. 166(1). 538-543 (2001)

  • [文献書誌] Tsuchida,S.: "Purification of a 72 kDa tyrosine kinase from rat liver and its identification as Syk : Involvement of Syk in signaling events of hepatocytes."J.Biochem.. 127(2). 321-327 (2000)

  • [文献書誌] Inatome,R.: "Identification of CRAM, a novel unc-33 gene family protein that associates with CRMP3 and protein-tyrosine kinase (s) in the developing rat brain."J.Biol.Chem.. 275(35). 27291-27302 (2000)

  • [文献書誌] Ding,J.: "Syk is required for the activation of Akt survival pathway in B cells exposed to oxidative stress."J.Biol.Chem.. 275(40). 30873-30877 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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