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2000 年度 実績報告書

ナトリウムイオン駆動型回転モーター特異的蛋白質MotXとMotYの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12878122
研究機関名古屋大学

研究代表者

本間 道夫  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50209342)

キーワードイオンチャネル / エネルギー変換 / ビブリオ菌 / べん毛 / モーター / ナトリウム駆動力
研究概要

これまでに当研究室で同定されていたmotX変異株3株とmotY変異株3株について、その変異部位を決定した。motX変異株NMB94、NMB115、NMB119ではそれぞれmotXにC87frameshift(Δ2bp)、A146V、Q142amberの変異が見つかった。またmotY変異株NMB85、NMB117でもmotY中にそれぞれY187orcher、Q32amberの変異が認められた。ただmotY変異株VIO542についてはmotYの構造遺伝子ならびにプロモーター領域に変異は同定できなかった。MotXのAsp25は推定膜貫通領域において電荷を持つ唯一の残基である。細胞膜貫通領域の電荷はチャネルの機能に重要であると考えられることからD25E、D25S、D25Kの変異体を作成したが、機能を失うものはなかった。チャネルコンポーネントにとって重要だと思われる細胞膜貫通領域内の電荷はMotXの機能に必要ではなかったことから、MotXがチャネルを構成しているというこれまでの考えを否定した。また、MotXの持つ2つのCys残基について変異体を作成したところ、C56Sは遊泳能を失ったが、C87SやC56S/C87S二重変異体は機能した。C56S変異による遊泳能の低下は還元剤であるDTTを加えることにより回復したため、C56S MotXはCys87においてジスルフィド結合を形成し機能を失ったと考えられる。還元剤を加えない条件でウェスタンブロットを行ったところ、C56S、C87Sの変異を持つMotXはそれぞれ約40kDa、50kDaの異なるバンドとして検出された。MotXとMotYは相互作用することが示唆されている。V.alginolyticusの菌体内においてMotXを大量発現させた場合、検出されるMotYの量がMotXと共に増加することが分かった。またMotYを大量発現させた場合も検出されるMotXの量が増加した。よってこれらは共に相互作用し膜上で相互に安定化していると考えられる。生化学的な手法で直接的に相互作用の確認を試みたが、種々のデタージェントを用いてもMotXは可溶化されなかった。また、MotXをmotY変異株中で大量発現させたところ、わずかではあるがべん毛の回転が回復した。逆に、MotYをmotX変異株中で大量発現させても回復しなかった。つまり、MotXの大量発現がmotYの変異を抑制したことになる。何故Na^+駆動型のみMotXとMotYが必要なのかは明らかにされていないが、今後PomA-PomB複合体とMotX-MotY複合体の相互作用を解くことにより解明されると期待できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yorimitsu,T.,and M.Homma.: "Na^+-driven flagellar motor of Vibrio."Biochem.Biophys.Acta-Bioenergetics. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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