研究課題
本研究では、機械材料を高強度化する表面改質法についてショット・ピーニングの知見を踏まえて、鋼球などのショットを用いない次世代表面改質法を日本から世界に向けて発信するために、キャビテーション、ウォータジェット、レーザ等によるショットレス・ピーニング法および同法の応用の可能性について調査を行った。1.種々の手法別・適用例別の調査 ショットレス・ピーニングの手法として、キャビテーション、ウォータジェット、レーザによる方法を取り上げ、ショット・ピーニングと比較検討しながら、各手法の特徴を調査した。その結果、原子力プラントの保全技術や航空機部品の表面改質質に、ショット・ピーニング、キャビテーション噴流、ウォータジェット、レーザが用いられていることが明らかになった。またキャビテーション噴流による鍛造用金型の表面改質の有効性を呈示した。2.学問的分類による調査 キャビテーションによるピーニングを取り上げて、回転曲げ疲労試験によりショット・ピーニングと疲労強度を比較検討した結果、同様に疲労強度を向上できること、表面粗さの増大が極めて少ないことを明らかにした。3.ショットレス・ピーニングの現状技術の把握 レーザによるピーニングは加工コストがショット・ピーニングの約10倍であること、ウォータジェットを用いる場合には高圧プランジャポンプが高価であるために初期コストが高いこと、それに対し、キャビテーション噴流を用いる場合にはキャビテーション気泡の崩壊衝撃力を有効利用するので低コストで表面改質を施工できる利点が明らかになった。
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