研究分担者 |
三浦 清一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00091504)
高橋 和雄 長崎大学, 工学部, 教授 (30039680)
石原 和弘 京都大学, 防災研究所, 教授 (30027297)
片田 敏孝 群馬大学, 工学部, 助教授 (20233744)
陶野 郁雄 国立環境研究所, 地下環境室, 室長 (00016479)
|
研究概要 |
本研究は活火山地域で居住する人間が安全で快適な生活を営むために工学が果たすべき役割を明らかにし,新たな学問領域である火山工学を構築することを目的としている。そのため本研究は火山学,地盤工学,砂防学,資源工学,土木計画学,災害心理学,公衆衛生学を専門とする研究者によって組織されている。これらの研究者が火山と人間との接点で生じている問題を抽出し,それらの問題をどのように解決することができるかという視点から日本のみならずフィリピン,インドネシアの活火山地域を事例として取り上げている。 研究実績の概要は次のようである。 ・1988年十勝岳噴火を事例として取り上げ,周辺住民を対象としたアンケート調査を行い,噴火時の住民心理の実態,避難・帰宅意向の関係構造を検討した。また,1926年の泥流災害の実態について砂防学の立場から検討を加えた。 ・2000年有珠山噴火を事例として取り上げ,地盤の変状調査を行い,地殻変動にともなう構造物支持地盤の水平変位,せん断ひずみ分布に関する検討を行った。また,噴火初動期の防災対策に関する調査,周辺市町の行政担当者の聞き取り調査,周辺住民を対象としたアンケート調査,ウェブページを用いた情報発信の実態調査を行い,検討を加えた。 ・2000年駒ヶ岳噴火を事例として取り上げ,被害の実態と防災対策について検討を加えた。 ・岩手山と事例として取り上げ,地域連携型防災対策を中心に系統的かつ総合的な火山防災指針の作成について検討を加えた。 ・焼岳の火山活動履歴を調査し,防災対策について検討を加えた。 ・雲仙普賢岳を事例として取り上げ,噴火から10年が経過した島原地域の復興・振興に関するアンケート調査,火山観光に関する観光客・市民の意識調査を行った。また,降下火山灰調査を行い,火山灰調査の応用的意義について検討を加えた。 ・フィリピンピナツボ火山を事例として取り上げ,噴火後10年間に実施された災害対策について検討を加えた。 伊豆諸島三宅島については現地調査を行った。これらの成果を元に火山工学の領域を明確にすることができた。
|