研究課題/領域番号 |
12F02012
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久野 秀二 京都大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10271628)
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研究分担者 |
MAHMOUD SOLYMAN Ashraf 京都大学, 経済学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | エジプト / 農業政策 / 食料安全保障 / 農業構造 / 食料への権利 / 食料主権 / 農村開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで国民経済ないし家計のレベルで専ら経済的・技術的な指標から食料確保のあり方を論じてきた「食料安全保障」概念の限界をとらえるとともに、新たに「食料への権利」や「食料主権」といった概念を取り入れることによって、昨今の社会不安と政治的動乱に端的に表れたように、エジプトにおける新自由主義的な農業政策がいかに食料不安を高め、農村・都市の貧困問題と社会不安に帰結してきたかを明らかにし、それらの諸問題を克服しながら農業・農村・食料の持続的発展を展望するための諸課題を提示しようとするものであった。 第一に、文献調査を通じて関連諸概念の整理に取り組んだ。同時に、農業センサス等の統計資料と関連政策に関する資料を収集・整理しながら、エジプトの農業構造と食料安全保障政策の概要を把握することに努めた。 第二に、以上の基礎作業を踏まえて、エジプトにおける農業政策と食料安全保障の関連性を歴史的構造的に把握するための分析視角と方法論を確立するため、世界各国各地域を事例に取り組まれた既存研究のサーベイを実施した。当初は、それらの分析視角と方法論を適用しながら、エジプトでの農村家計調査、関係機関へのヒアリング調査を実施することを予定していたが、エジプト国内情勢の悪化ゆえに断念し、現地研究者に調査協力を依頼した。 第三に、東・東南アジア諸国(日本、韓国、タイ)の農業政策と、それをめぐる関係機関の状況認識と食料安全保障の将来展望について、文献調査ないし現地ヒアリング調査を通じて明らかにし、国際比較の分析枠組みに肉付けを行った。 第四に、以上の成果を国内外の学会で発表する予定だったが、受入研究者が学内業務で多忙だったため、その機会を捉えることができなかった。外国人特別研究員の帰国後も共同研究を続けており、1本の国際学会報告と4本の学術論文の投稿、それらを踏まえた1冊の学術書の執筆を予定している。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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