研究課題/領域番号 |
12F02022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長瀧 重博 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授
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研究分担者 |
JIRONG Mao 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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キーワード | ガンマ線バースト / 光子散乱 / 輻射輸送 / ジッター放射 / シンクロトロン放射 / 超新星爆発 / ブラックホール |
研究概要 |
ガンマ線バースト放射メカニズムとして、フォトスフェリックモデルの拡張を行い、ガンマ線バーストスペクトルの再現を行います。特にフォトスフェリックモデルにジッター放射の効果を組み込むことを計画しています。現在我々の数値シミュレーションでは光球面の位置を、トムソン散乱断面積と電子密度の情報を用いて、光学的厚さ=1となる面と定義しています。しかし、世界の他のグループによるモンテカルロ計算等の研究により、これら光子のLastScattering領域は、上記アプローチで求めた光球面を含んだ、立体的な構造を持つことが知られています(e.g. Pe'er & Ryde ApJ 2011)。ガンマ線バーストは密度の低いジェットですので、この広がりはスペクトルを議論する上で無視出来ない程の大きさを持つと考えられています。言葉を代えて言えば、よりリアリスティックにエネルギースペクトル再現を試みるためには、モンテカルロ計算を用いて、温度・ローレンツ因子のばらつきを持つ、Last Scattering領域内の各流体要素からの寄与を正確に足し上げる必要があるということです。我々はLast Scatteringによって光子がどのように散乱(逆コンプトン散乱を含む)を経験して、スペクトルの変化、時間の遅れなど経験し、最終的に地球上に到達するのかということをモンテカルロ計算します。この際、モンテカルロ計算にジッター放射の効果を取り込み、世界初のジッター効果入りフォトスフェリックモデルを確立します。これによってガンマ線バーストスペクトルの完全な再現を試みます。現状としては、アクセプトされておりませんが、上記モンテカルロ計算の論文を一本査読紙に投稿中であり、またジッター放射の解析的な論文については投稿準備中のところまで来ています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究員Jirong Mao氏の来日は2012年7月であり、年度当初からではないにもかかわらず、フォトスフェリックモデルについて査読論文1本投稿中、ジッター放射モデルについては論文準備中のところまで来ている。
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今後の研究の推進方策 |
このままの方針で研究を進める。平成25年度に於いては平成24年度に得られたモンテカルロ計算を拡張し、ジッター放射効果を取り入れたモンテカルロ計算を実行する。これにより、ガンマ線バーストスペクトルの完全再現を試みる。可能であれば、スペクトルのみならず、当初の研究計画を超えて偏光度についての評価も行う。これは近年日本の観測衛星イカロスによってガンマ線バーストの偏光が測定されたという報告を受けてのものである。
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