研究課題/領域番号 |
12F02045
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高木 剛 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授
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研究分担者 |
ZHU Youwen 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 外国人特別研究員
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キーワード | クラウドコンピューティング / プライバシ保護 / データ検索 / 分散システム |
研究概要 |
本研究課題では、効率的な分散暗号方式と安全なデータ保存アウトソーシングへの応用をテーマとした研究を行う。分散秘匿計算は, 秘密鍵を有する複数の参加者が, 加算や乗算などの暗号基本演算を互いの秘密鍵を秘匿した状態で分散計算する方式である。分散ネットワークで、秘密鍵の秘匿状態を保ったまま分散計算可能であり、クラウドコンピューティングなど高いプライバシが要求されるアプリケーションへの応用が可能な方式である。本年度は、次の3点の研究成果を得た。(1)プライバシ保護機能を持つ分散信用評価プロトコルを構成した。提案方式は、従来方式と比較して安全性を低下させることなく通信量を半分に削減できる。(2)暗号化したクラウド上のデータに対するプライバシ保護機能のある最近傍値計算プロトコルを提案した。この方式では、データ所有者に関する情報がクエリを問い合わせたユーザに漏洩したとしても、データのプライバシを保護することが可能となる。(3)Yuan等は、IEEE Infocom2013において暗号化されたクラウドデータベースの衝突困難性を有する最近傍値計算プロトコルを発表した。この方式に対して、理論的解析および実験的なシミュレーションにより脆弱性を指摘した。更に、最近傍値計算プロトコルにおいて攻撃者が平文の情報を知った場合に、グラウトサーバとクエリユーザとの間で衝突攻撃に対して耐性を持たせることは難しいことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、ジャーナル論文を5編、査読付き国際会議の論文を1編、研究集会での発表を2件行った。特に、本年度の結果は暗号化されたクラウドデータに対して最近傍計算アルゴリズムの衝突困難性に関して新しい知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題として以下を行っていく。(1)暗号化されたクラウドデータに対して、より高機能なデータ解析演算を持つ方法を構成する、(2)プライバシ保護機能と検証機能を併せ持つ安全な委託計算方式を構成する、(3)分散応用システムでプライバシ問題を解決する効率的なプロトコルを考察する。
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