研究課題/領域番号 |
12F02048
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
|
研究分担者 |
DALLALIBERA Fabio 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
|
キーワード | ヒューマノイドロボット / ヒューマン・ロボット・インタラクション / ロボット教示 / 接触 / 動作生成 |
研究概要 |
本研究では、誰でも簡単に、ヒューマノイドロボットに全身運動を教えることができるシステムを開発する。近い将来、ロボットは日常生活の根幹として活躍することが期待されている。中でもヒューマノイドロボットは人間に類似した形態を持ち、ヒトの使う様々な道具やインフラを使うことができるため、特に活躍が期待されている。さらにヘビ型などの生物型ロボットと比べて、ヒトに類似した形態を持つため、ロボットの状態や特徴、限界などをユーザが類推しやすいという特徴も持っている。 このような前提から、特別なトレーニングなしに、ユーザがヒトに教えるようにロボットに運動を教えることができるシステムが必要であると考えられる。本システムの新規性は、ユーザが直接ロボットを触ることでロボットに動作を教えることができる点にある。これはスポーツコーチやダンスインストラクタが手取り足取り生徒に運動を教えることに似た直感的な教え方である。一方で触られることに対して、コーチが期待する通りに反応しない生徒には運動を教えにくい。そこでH24年度では、触られることに対するヒトらしい反応とは何か、に関して研究するためのシステム開発を行った。開発において重点を置いたのは、ユーザとロボットの長期実験を可能とする信頼性の高いシステムの実現である。そのためシステム稼働中におけるモータ温度やモータケーブル接続の常時監視、センサやモータ等の構成要素のon-offを実装した。 さらに確率共鳴という理論に基づく制御アルゴリズムの開発も行ったる本アルゴリズムによって、ロボットの四肢がロボットの他の部位と自己衝突する可能性がある際、自立的に衝突を回避し、安全な姿勢を探索することが可能となる。 その結果、被験者毎に異なるロボットに期待する反応を収集し、解析することが可能となった。解析の結果、触られることに対するヒトらしい反応に関する重要な知見を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目的であった、ユーザに触られることに対するヒトらしい反応に関して重要な知見を得た。開発されたシステムは当初の予定よりも高い信頼性をもつものとなった。このため、短期間における大規模データの収集と解析が可能となった。さらに、システム開発の過程で今後の業績に結びつく研究テーマが生まれた。
|
今後の研究の推進方策 |
翌年度には、本年度の研究によって得られた、ユーザにとってヒトらしいと感じられる反応をモジュールとして制御システム上に実装する。研究の焦点となるのは各反応モジュールの統合である。まずProduct of Expertsモデルを検討する。 結果に応じて、現在までに収集されたデータに対する更なる解析に基づき、より洗練されたモデルを提案する予定である。
|