研究課題/領域番号 |
12F02061
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鳥海 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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研究分担者 |
ZHANG Wenfeng 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | ゲルマニウム / 酸化物 / X線光電子分光 / 内部光電子分光 |
研究概要 |
本研究の目的はGe基板上に良好なゲートスタックを構築することが大きな目的である。そのためには、電気的な測定だけではなく、ゲートスタックを構成している絶縁膜物性を定量的に評価できることが必須である。その観点で、Zhang博士は外国人特別研究員として1年間で極めて多くの成果を生み出している。具体的には、単結晶Ge基板上に形成されたGeO2膜の物性およびGe基板に対するエネルギーバンドオフセットをGeO2膜形成方法の違いによる違いとしてXPS(X線光電子分光法)およびIPE(内部光電子分光法)を用いて極めてクリアに示した。Ge基板上のGeO2膜の物性は最近では多く報告されているが、彼のようなシステマティックな評価、解析は今までになかった。それらの結果は、平成24年度に行われたSolid State Device and Materials(京都)あるいはECS(米国)という国際会議で発表され、多くの高い評価を受けた。また国内会議にも積極的にチャレンジし、応用物理学会主催の研究会、あるいは3月に行われた春の応用物理学講演会でも2件発表し、国内の多くの研究者とも多くの議論を行うことが出来た。これらの成果は今後のGe全体の研究にも大きな影響を与えるものと確信している。なお、これらは、ECS-TransactionおよびApplied Physics Lettersにすでに出版済みである。今後はさらにGe基板の表面状態の制御、さらには界面における反応の制御とすすめていく予定であり、今後の結果が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
GeO2/Geのバンドオフセットはいくつかの報告がなされてきたが、かなりばらついていた。その起源がGeO2の持っている電荷トラップにあることを突き止め、評価の一般化に展開するところまで持っていった部分は高く評価される。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Ge表面の平坦化に注意しながら、界面反応に関してやはり光電子分光法を用いて解析をすすめ、ゲートスタック形成プロセスにフィードバックさせて行く。
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