研究課題/領域番号 |
12F02073
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中川 紳好 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授
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研究分担者 |
ABDELKAREEM Mohammad 群馬大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013-03-31
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キーワード | 電極触媒 / ナノファイバー / 燃料電池 / メタノール酸化反応 / 金属炭化物 / コンポジット材料 |
研究概要 |
Wでは静電紡糸で得られた金属含有カーボンナノファイバーの酸化、その後の炭化処理により、直径数十nm程度の微粒子カーバイドの合成に成功した。XRDの解析結果からWCが得られていることが分かった。このメタノール酸化活性を調べたところ、電位1V_<vs.NHE>付近に酸化電流ピークが観察され、メタノール酸化活性を示した。この酸化電流ピークはNiを添加した場合に増大し、Ni添加で酸化活性が増大することが分かった。Ni添加の場合、WCに加え、W_2CおよびWO_3の生成が確認された。 MoではMoCl_2とポリアクリロニトリルを原料に用いて、静電紡糸法によるファイバーの酸化、その後の炭化処理で微粒子触媒が得られた。炭化温度を1400℃にすることで、Mo_2C,Mo_3C_2およびMo,MoO_2の混合粒子が得られた。この粒子の場合、メタノール酸化活性は作製したWCのものよりも高い傾向にあった。 TiではTiCl_4とポリアクリロニトリルを原料に用いて、静電紡糸法によるファイバーの酸化、その後の炭化処理で微粒子触媒が得られた。炭化温度を変化させ1400℃まで上昇させたが、いずれの温度でもTiの炭化物は得られず、窒化物と炭化物の混合であるカーボナイトライドが得られた。作製した粒子からはメタノール酸化活性は殆ど観察できなかった。 Ti含有のナノファイバーを調整する中で、酸化チタン微粒子をカーボンナノファイバーに含んだコンポジットナノファイバーがPtRu微粒子の触媒能を増大する優れた担体になることを見いだし、これを電気化学会の国際会議で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
W,Mo炭化物および酸化物と,Tiの酸化物とカーボンとのコンポジットについて、静電防止法によりナノファイバー化することができ、おおむね予定していた検討を行うことができた。また、WCについてメタノール酸化活性を確認した。さらに酸化チタンとカーボンとのコンポジットナノファイバーに付いてはPt系微粒子触媒の担体として優れた特性を発揮することが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
該当の特別研究員が本人の都合により帰国したため、特別研究員による研究は終了した。しかし、本研究課題については代表者の研究室で引き継ぎ、継続することとしている。
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