研究課題
平成25年度は、マウスの赤血球造血における新規アセチル化制御因子Xの機能に関して、以下の通り検討を行った。(1)マウス赤血球造血におけるXの発現解析、(2)マウス赤血球造血におけるXの機能解析、(3)Xの機能解析のためのX欠損マウスモデルの作製。(1)Xタンパク質の発現解析Xの検出に使用可能な市販の抗体がなかったため、免疫細胞化学染色およびウェスタンブロット分析によってXを検出可能な抗Xウサギ抗体を作製した。Xタンパク質は、造血前駆細胞、未熟赤血球及び成熟赤血球の核および細胞質の両方に局在していた。また、造血前駆細胞が成熟赤血球へと分化するにつれて、Xタンパク質発現が増加した。(2)Xの機能解析マウス胎仔肝臓は、造血前駆細胞が未熟赤血球及び成熟赤血球に分化する部位であり、赤血球造血研究のモデルとして利用されている。Xは造血前駆細胞を未熟赤血球へと誘導し、またα-、β-グロビン遺伝子の発現を増加させた。さらに、クロマチン免疫沈降法を用いて、Xタンパク質が造血前駆細胞を成熟赤血球へと誘導する遺伝子の発現レベルを増加させることにより、マウスの赤血球造血を誘導することが明らかになった。(3)X欠損マウスモデルの作製(2)はin vitroにおけるXの機能解析であり、生体内におけるXの機能をより詳細に解析するためには、in vivoで解析可能なX欠損マウスモデルの作製が必要である。現在、Xの欠損に使用可能な雄マウスを2匹所有しており、X欠損マウスの繁殖を行っている。
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Genes to Cells.
巻: (In press)(印刷中)
10.1111/gtc.12143
Mechanism of Development
巻: 130(2-3) ページ: 195-206
10.1016/j.mod.2012.09.003