研究課題/領域番号 |
12F02091
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小池 正雄 信州大学, 農学部, 教授
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研究分担者 |
CHOWDHURY M.S.H. 信州大学, 農学部, 外国人特別研究員
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キーワード | forest conservation / co-management policy / protected area / community participation / wildlife conservation / forest dependent rural community / wildlife sanctuary / Bangladesh |
研究概要 |
バングラデシュ再生の基盤をバングラデシュ森林保護区の少数民族居住地域に求め、これらの地域をフィールドに措定し、保護区のみに残された本来あるべき姿の原基形態としての少数民族と森林との関係を把握しこれをバングラデシュ再生のヒントとすべく研究を継続してきた。我々はこれまで、実態調査研究に基づいた成果を多くのインパクトファクターのある国際学術誌に公表してきた。本研究はこれまでの我々の研究の有力な構成部分であるが、未だに手が付けられていなかった野生生物を媒介とした森林と人間との関係の展開という視点からの実態調査に基づいた考究を行うべく計画し実施中である。 Dr.Shaheed氏は平成24年8月に来日し森林政策学研究室で小池とともに本研究課題に着手した。10月から11月にかけてバングラデシュに出向き、国際共同研究を実施しているチッタゴン大学森林環境研究所Dr.Miah助教授(前信州大学森林政策学研究室JSPS外国人特別研究員)と連携してレマカレンガ野生生物保護区において個別実態調査を実施した。 また平成25年の2月から3月にかけてはマレーシアのボルネオ島でコタキナバル地域における野生生物と人間の共生に関わる実態調査をサバ大学熱帯林業研究領域のDr.Nur助教授(前信州大学森林政策学研究室JSPS外国人特別研究員)と連携して実施した。またサバ大学熱帯林業研究領域に招聘されて、当該研究課題に関してDr.Shaheedが、また東南アジアにおける森林と人間との歴史的関係に関して小池がそれぞれ講演を行った。その後バングラデシュにわたり、レマカレンガ森林保護区においてチッタゴン大学の Dr.Miahと連携して研究実施計画に沿った形で、森林保護区の先住民を対象として家計レベルの民族生態学的個別聞き取り調査を実施した。 現在現地調査で収集した資料を分析し、成果を国際民族生態学会で報告したり、本領域においては高いインパクトファクターを持つ国際学術誌に公表すべく作業を着実に進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
外国人特別研究員Dr.M.S.HChowdhuryは平成24年8月に来日し、本研究課題に着手し、10月に1か月間そして平成25年2月から3月にかけて3週間バングラデシュ及びマレーシアの森林保護区における野生生物保護協働政策に関する実態調査を実施した。またマレーシアのサバ大学に招聘され、情報交換と本課題に関して招待講演を、CHOWDHURY.MSH、小池両名それぞれが行った。現在はそれらの実態調査で得られた資料を分析し、しかるべき欧米の学術誌で公表すべく準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者小池正雄が平成25年3月をもって信州大学を定年退職し、研究代表者を泉山茂之信州大学教授に変更する。このことはJSPSの承認を得ている。また当研究課題申請時に、外国人特別研究員及び泉山教授双方の了解を得ている。小池から泉山教授への研究代表者の変更は主指導教員の研究・教育実績及び特別研究員との共同研究の実施面からまったく問題ない。研究代表者と共同してDr.Shaheed外国人特別研究員は当初の予定通りに実態調査収集資料を分析し学会報告を実施し、論文及び著書を執筆し公表をしていく。冬には予定通りにフィールドワークを実施し本研究課題を遂行していくことになっている。
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