研究課題/領域番号 |
12F02207
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中山 知信 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究者
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研究分担者 |
MISHRA P. 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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キーワード | ダイアモンド / 超伝導 / 単原子層物質 / 固体表面 |
研究概要 |
ダイアモンドはフォノン周波数が非常に高いため、高い転移温度を有する超伝導の発現が理論的に予想されている。ダイアモンド清浄表面上に単原子金属層を成長させ、超伝導特性を発現させることを目的として研究を行った。平成25年度は引き続き、ダイアモンド薄膜のCVD成長条件およびSTM観測条件の最適化を行った。ダイアモンド単結晶基板上にマイクロ波CVD法を用いて平滑で高品位なホウ素ドープダイヤモンドを成膜した。試料を1000℃に加熱しながら1×10^<-4>Pa程度の酸素を導入したところ、(100)結晶軸方向に沿った長方形型のテラス構造を観測することに成功した。これにより、有機汚染物の酸化および除去によって、清浄表面に近い状態が得られたことが確認できた。 一方、ダイアモンド型の結晶構造をもつシリコン基板表面上で、インジウム原子層の成長と低温での電気伝導測定を行った。シリコン(111)表面を超高真空中で清浄化し、インジウムを一原子層程度300℃で成長させた。クライオスタットの改造により、電気伝導測定によって得られる超伝導転移温度は約3.0Kであることがわかった。これは低温STM測定によって知られていた転移温度とほぼ一致する。また、有機分子である銅フタロシアニンを1分子層程度この表面に吸着させ、配列させたところ、転移温度が0.13K程度上昇することがわかった。これは、銅フタロシアニンからインジウム原子層に電荷移動が起こり、キャリアがドーピングされたためであると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シリコン表面上金属原子層の超伝導に関しては、進展があったが、ダイヤモンド表面の研究については遅れている。ダイヤモンド表面の調製方法の確立が急務である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ダイアモンド清浄表面の調製方法を確立し、さらにインジウムなどの金属を単原子層レベルで成長させる。走査トンネル顕微鏡で局所的な超伝導ギャップを観察し、電気伝導測定を行うことで、直接的に超伝導転移を観測することを目標としたい。
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