研究課題/領域番号 |
12F02210
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
高木 優 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 招聰研究員
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研究分担者 |
YEH Chuan-ming 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 外国人特別研究員
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キーワード | 転写因子 / 酸性土壌 / バイオテクノロジー / アルミニウムストレス |
研究概要 |
酸性土壌ストレスに対する耐性に関わる転写因子を探索するため、ホスト研究機関が開発した新規遺伝子サイレンシング法によって作成したシロイヌナズナキメラリプレッサー発現ライブラリーを用いて、酸ストレスに対して耐性を示すラインのスクリーングをためpH5.0に調整した培地を用い、地上部の生長および一次根の長さを観察し、野性型よりも顕著に耐性を示すものを単離した。また、酸性土壌ではリン酸欠乏が誘導されることから、リン酸欠乏に対して表現型をしめすキメラリプレッサー発現体に注目してスクリーングを進めた。酸性土壊では、酸によって土壌中のアルミニウムがイオンとなって溶出しそれらがリンと結合し不溶性のリン酸アルミニウムとなることから、酸性土壌ではリン欠乏となる。そこでシロイヌナズナキメラリプレッサー発現ライブラリーから酸性土壌耐性のラインをスクリーングするために、最初に低リン酸に対して抵抗性を示すキメラリプレッサー発現体のスクリーングを行った。通常のMS培地のリン酸濃度(625μM)の1/100濃度のリン酸を含むMS培地を用いてスクリーングを行った。有効と考えられるラインの次世代種子(T3)種子を100ライン単離し、解析を進めたところ、二つのB-boxタンパク質因子であるHR1072とHR1373、bZIP転写因子であるHR3090, MYB転写因子であるCR711に対するキメラリプレッサーを発現するシロイヌナズナ株が低リン酸に対しても耐性(非感受性)示すことが判った。これらのラインがアルミニウムおよび酸性土壌に対して耐性を示すか調べた結果、特にHR1072とHR3090ラインが低リン酸に対して強い耐性がある事を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スクリーングが順調に進み、強い耐性ラインが取れたことからこれらの解析を進め、論文にまとめた。現在校正中でまもなく投稿する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は、感染実験を順次進め、応答する因子の単離を進める。実験計画は、よく練られており、簡素であるため、順調に進めば結果が良好な結果が期待できる。
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