研究課題/領域番号 |
12F02211
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
LADHER Raj 独立行政法人理化学研究所, 感覚器官発生研究室, 特別主管研究員
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研究分担者 |
FREEMAN Stephen Daniel 独立行政法人理化学研究所, 感覚器官発生研究室, 外国人特別研究員
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キーワード | ステレオシリア / 内耳発生 |
研究概要 |
1.哺乳類の内耳発生においてSulf1はどこで発現しているのか。 マウスの内耳発生においてSulf1の詳細な発現パターンを得た。Sulf1の発現が感覚有毛細胞を形成する領域と反対の領域で開始することを確認した。しかし、有毛細胞が形成を開始する際、Sulf1もこれらの有毛細胞の中で発現が開始した。ここでのSulf1の発現は、解析したあらゆるステージにおいて継続している。現在、発現に関する解析の範囲を広げ、Sulf1と密接に関わる2つの分子(Sulf2,SUMF1)の発現を調べている。Sulf2はSulf1の近縁種であり、Sulf1同じ機能を果たす。SUMF1はSulf1とSulf2を活性型に変形する。そのため、これらの分子の発現を解析することも非常に重要である。 2.哺乳類内耳発生におけるSulf1の機能とは何か。 筑波大学の枡正幸教授、枡和子講師より提供を受けたノックアウトマウスの解析に重点的に取り組んだ。既にSulf1、Sulf2それぞれのノックアウトとダブルノックアウトを作製した。これらのノックアウトにおいて有毛細胞数の増加が見られたが、その増加はダブルノックアウトにおいて顕著であった。現在、これらのノックアウト解析を続けており、内耳の他の細胞種に大きな変化があるかどうか調べている。 3.有毛細胞ステレオシリア形成のパラメーターは何か。Sulf1は形成に関与しているか。 ステレオシリア形成において、アクチンとミオシンのポリマー化抑制剤を用いた阻害予備実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画には3つの課題があり、既に2つの課題をほぼ完了した。3つめの課題についても実験を順調に開始しており、実験計画はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集を継続し、哺乳類の内耳発生におけるSulf1とSulf2の発現およびノックアウト表現型を解明する。また、ステレオシリア発生に関する実験を進める。ステレオシリア形成におけるアクチンとミオシンのポリマー化抑制剤の効果(間隔、長さ、数量等)を全て特定する。
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