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2013 年度 実績報告書

イネ直播適性に関わる遺伝子の同定と利用

研究課題

研究課題/領域番号 12F02212
研究機関公益財団法人岩手生物工学研究センター

研究代表者

寺内 良平  (公財)岩手生物工学研究センター, 生命科学研究部, 研究部長

研究分担者 FEKIH EP Laribi Rym  (公財)岩手生物工学研究センター, 生命科学研究部, 外国人特別研究員
キーワードイネ / ゲノム / 突然変異 / シーケンス / QTL / 直播適性
研究概要

申請者らの研究グループでは、東北地方の水稲栽培の省力化を目標とした研究を実施している。この目的のために、申請者らは、東北日本で重要なイネ品種「ひとめぼれ」を材料として、2種類の集団を作成した : (1)大規模EMS突然変異集団、(2)大規模組換え近交系(Recombinant Inbred Lines : RILs)。Fekih Ep Laribi Rym博士は、これらを利用して、直播適性に関わる遺伝子群の同定を目標に研究を開始した。後者の材料のQTL解析から、直播適性に関わる低温発芽性QTLの位置同定に至った。さらにFekih博士は、突然変異体の原因遺伝子を迅速に同定する手法として、MutMap+法の開発に成功した(Fekihら、PLoS One 2013)。MutMap+法は、既報のMutMap法(Abeら, Nature Biotech. 2012)を改良して、突然変異体と野生型親系統の交配由来のF2を材料として、突然変異形質を示す子孫のバルクDNAと野生型形質を示す子孫のバルクDNAの双方の全ゲノムシーケンスを実施して、互いにSNP分布を比較することにより、迅速に原因遺伝子を同定する技術である。MutMap+法を突然変異系統M3世代の集団に適用することにより、交配作業を経ずに原因遺伝子を同定することも可能となったため、致死突然変異体や不稔突然変異体の原因遺伝子同定に、今後大きな力を発揮するものと期待される。この成果に加えて、Fekih博士はイネ擬似病斑突然変異体の原因遺伝子同定にも成功し、その結果を論文発表する準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イネ直播関連遺伝子の同定を目的に研究を開始し、低温発芽性を支配するQTLのゲノム上位置の同定に成功した。またMutMap+法の開発により、今後幼苗期の伸長に関わる遺伝子群を大量に同定する技術的な道筋ができた。今後、本技術を大規模に適用してイネ初期伸長関連遺伝子同定を進める予定である。

今後の研究の推進方策

同定された低温発芽性QTLの遺伝子単離を進める。さらにMutMap+法を大規模に適用することにより、イネ初期伸長関連遺伝子およびイネ稔性決定遺伝子を大量に同定することを目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] MutMap+ : Genetic mapping and mutant identification without crossing in rice2013

    • 著者名/発表者名
      Fekih, R., Takagi, H., Tamiru, M., Abe, A., Natsume, S., et al.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e68529

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0068529

    • 査読あり
  • [学会発表] MutMap+ : A whole genome sequencing (WGS) based method for simulta neous mapping and isolation of genes without crossing.2014

    • 著者名/発表者名
      Fekih, R., Takagi, H., Tamiru, M., Abe, A., Natsume, S., et al.
    • 学会等名
      Plant & Animal Genome 2014
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      2014-01-13

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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