研究課題/領域番号 |
12F02301
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
広瀬 友紀 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授
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研究分担者 |
DENG Ying 東京大学, 大学院総合文化研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 文産出モデル / 構造的プライミング / 統語処理 / 第二言語習得 / 受動文 / かき混ぜ文 |
研究概要 |
・心理言語学の観点から、日本語母語話者を対象に、事象認知を含めた文産出の過程全体を探る研究の一部として統語処理過程に焦点をあてた実験を実施した。また、第二言語学習者の文産出過程を検討する実験の組み立てを行った。 1. 統語処理を符号化する(Grammatical Encoding)レベル内における語順の決定ステップについての検討 語順が比較的に自由である日本語において、語順の決定に影響を及ぼす要因を探る5つの実験を、日本語を母語とする成人に実施した。具体的には、構造的プライミングパラダイムを用いて、口頭産出による行動実験を実施した。これらの実験結果をまとめた研究成果は、心理言語学の分野で最も重要である海外の学会(2つ)で国際発表を行った。さらにデータの一部をまとめたものを学会誌に投稿を行った。今後、眼球運動測定装置を使用した「視覚世界パラダイム(Visual World Paradigm、VWP)」を取り入れ、産出過程をリアルタイムで探れる手法を用いた実験を実施する。 2. 第二言語学習者における文産出過程と、第一と第二の両言語間の統語表象の貯蔵方法についての検討 中国語を母語とする第二言語学習者を対象に、日本語の文産出時に文法役割の付与と語順の決定について検討する実験計画の組み立てを行い、5月にその実験を行う予定である。今後、実験によって得られる産出データと視線データを収集し、その考察を進めていく予定。実験データにより、第二言語学習者における文産出時の統語処理過程の詳細、さらに言語間における統語表象の貯蔵方法の異同といった検討が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本語母語話者を対象とした実験を計画通りに行い、そして新しく発見した問題点に基づき、第二言語学習者を対象とした実験計画について計画を新しく練り直した。そのため、当初の実験計画とは少し進捗状況が異なっている。しかし、母語話者を対象とした実験のデータをまとめ、25年度内に国際会議において3件、国内会議において2件の発表を行っており、論文を2本発表している点から、研究の目的はおおむね順調に達成へと進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
1. 統語処理を符号化する(Grammatical Encoding)レベル内における語順の決定ステップについての検討 日本語母語話者へ眼球運動計測による実験を行い、現在データを取得済みの発話実験との比較を行う。さらに、その成果をまとめ、学会での発表と論文投稿を行う。 2. 第二言語学習者における文産出過程と、第一と第二の両言語間の統語表象の貯蔵方法についての検討 中国語母語話者へ産出実験を実施する。さらに、日本語母語話者のデータと比較することにより、両者のかかわりについても考察を行い、次の実験計画に活かす。また、その成果をまとめ、学会発表を目指す。
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