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2012 年度 実績報告書

インド仏教における「父殺し王」阿闍世の物語主題群の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12F02303
研究機関東京大学

研究代表者

下田 正弘  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授

研究分担者 WU Juan  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 外国人特別研究員
キーワード阿闍世王 / 父殺し / 倫理 / 救済論 / 王権 / インド仏教 / ジャイナ教 / 物語論
研究概要

「インド仏教における「父殺し王」阿闍世の物語主題群」の解明を目指す本研究は、その2年間全体にわたる基礎作業としてq}インド仏教における阿闍世物語の詳細かつ構造的な分析を施す。これらの主題群は、(a)阿閤世の父殺し、(b)その悔恨と救済、(c)王としての役割、(d)仏教教団への関与、という4主題に分類することができる。本研究はこれらの主題群が、時代や文脈の相違によって、いかになる特徴をかかえて出現するかを分析し、各作品の編者たちの理念の特性を明らかにすることを目的とする。
そのうち、本年度は、「阿闍世王にかんするパーリ語、サンスクリット語、漢語、チベット語で記されたインド仏教文献を回収し、前述の物語主題群と関連する下位主題群を分析しつつ、それらの内容を整理する」ことを目的とした。
実際には、このうち、(a),(b),(d)について、仏教文献とジャイナ教文献の双方において、解明を進めた。ことにこの分野の金字塔とみなされているMichel Raidch How Aja□tasatru Was Reformed:The Domestication of'Ajase'and Stories in Buddhist Historyを詳細に分析して批判をした書評を、査読付きで評価の高い国際学界の仏教書評ウェブネットワーク(H-Buddhism)に公開をすることができ、斯学に貢献することができた。加えて、阿闍世王説話が特異なかたちで出現する仏教の律文献の特性を解明するため、「破僧事」の研究会に参加して、サンスクリット写本をもとに解読し始めたのは、計画以上の成果である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

査読付き国際学会誌(ウェブ)に専門書への書評を発表できたこと、国際学会での論文発表が2件(ロンドン、台北)承諾されたことによって、初年度は予想以上の成果が得られた。

今後の研究の推進方策

今後は、未着手のサンスクリット・アヴァダーナ文献、およびジャイナ教文献の解読にかかる。後者の解読にあたっては、ジャイナ教の専門家の知見が必要となるため、複数の研究者に協力者として助言を仰ぐ予定である。

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公開日: 2014-07-16  

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