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2014 年度 実績報告書

古代日本における唐仏教文化の受容と抵抗

研究課題

研究課題/領域番号 12F02306
研究機関早稲田大学

研究代表者

新川 登亀男  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50094066)

研究分担者 GE Jiyong  早稲田大学, 文学学術院, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際研究者交流 / 国際情報交換 / 中国 / 太原 / 梁 / 法進 / 法隆寺 / 白居易
研究実績の概要

本研究は、唐に至る中国側の仏教文化と古代日本との接触について調査研究するものである。とくに、唐(中国)と日本の間における単なる伝播・受容・外交史観の克服を課題とし、両者間の差異、矛盾、抵抗、ねじれ、などの関係性を確認した上で、共生の可能性を追究することを目標にした。当該年度は、以下のような研究をおこなった。
第一に、代表者新川登亀男と分担者GE,Jiyong(葛継勇)は、鑑真の弟子法進が日本で著した『沙弥十戒並威儀経疏』の写本比校、伝来研究を継続した。この撰著は、日中の文化・習俗の差異を意識しながら、中国の戒律仏教を日本に流布させようとしたものである。追って成果を公表したい。第二に、新川登亀男は、譬喩経の流布や、アジア大陸北方の習俗などが法隆寺金堂釈迦三尊像光背銘文に色濃く反映していることを立証した。同時にまた、その継承が途絶することにも注目した。第三に、新川は、600年の倭入隋使記録を手掛かりにして、アジアのなかの倭王像構築と仏教文化の役割を考究した。第四に、新川は、日本仏教の初期的背景をなす中国南朝とアジア南方・北方国家・民族との交流を明らかにした。第五に、新川は、13世紀日本の聖徳太子信仰の撰著『古今目録抄』(献納物)の共同調査をおこない、日本の聖徳太子信仰の受容のされた方を実証的に確認した。第六に、新川は、国立歴史民俗博物館の「文字がつなぐ 古代の日本列島と朝鮮半島」の企画展示委員をつとめた。ついで第七に、葛継勇は、中国太原の天龍山・龍山石窟共同調査を踏まえ、中国北朝と仏教信仰の関係を考察した。この地域は、やがて隋唐が興る源泉となり、朝鮮半島・日本列島へと通じる経由点でもあった。今後の比較研究に道をひらいた。第八に、葛継勇は、白居易と楊氏兄弟との親交解明を通じて、中国文人、日本の遣唐僧、日本の文人貴族らの仏教信仰に多面的な要素があることを確認した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 倭の入隋使(第一回遣隋使)と倭王の呼称2015

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男
    • 雑誌名

      新川登亀男編『仏教文明と世俗秩序』

      巻: - ページ: 117-150

  • [雑誌論文] 法隆寺金堂釈迦三尊像光背銘の成り立ち2015

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: 194 ページ: 277-326

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 天龍山石窟の早期窟の造立について-石窟の造立と高斉政権の構築-2015

    • 著者名/発表者名
      葛継勇
    • 雑誌名

      新川登亀男編『仏教文明と世俗秩序』

      巻: - ページ: 212-239

  • [雑誌論文] 『梁職貢図』と『梁書』諸夷伝の上奏文2014

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男
    • 雑誌名

      鈴木靖民・金子修一編『梁職貢図と東部ユ-ラシア世界』

      巻: - ページ: 166-197

  • [雑誌論文] ホトケの教え2014

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館編『文字がつなぐ 古代の日本列島と朝鮮半島』

      巻: - ページ: 96-97

  • [雑誌論文] 仏教をめぐる交流2014

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館編『文字がつなぐ 古代の日本列島と朝鮮半島』

      巻: - ページ: 118-120

  • [雑誌論文] 白居易と楊氏兄弟との交友-新出石刻資料を中心に-2014

    • 著者名/発表者名
      葛継勇
    • 雑誌名

      田中史生編『入唐僧恵蕚と東アジア』

      巻: - ページ: 117-150

  • [学会発表] 来日唐僧と奈良仏教社会2015

    • 著者名/発表者名
      葛継勇
    • 学会等名
      国際シンポジウム『古代東アジアの仏教交流』
    • 発表場所
      國學院大學
    • 年月日
      2015-01-25
  • [学会発表] 高句麗人・百済人墓誌からみた高句麗末期の内政外交2014

    • 著者名/発表者名
      葛継勇
    • 学会等名
      国際シンポジウム『東アジア国際関係と高句麗』
    • 発表場所
      韓国檀国大学校
    • 年月日
      2014-11-07
  • [学会発表] 日本仏教以前の仏教2014

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男
    • 学会等名
      日韓中共同国際シンポジウム『仏教文明の拡大と転回』
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2014-10-24
  • [図書] 仏教文明と世俗秩序2015

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男編
    • 総ページ数
      602
    • 出版者
      勉誠出版
  • [図書] 仏教文明の転回と表現2015

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男編
    • 総ページ数
      655
    • 出版者
      勉誠出版
  • [図書] 法隆寺献納宝物特別調査概報XXXV『古今目録抄』Ⅰ2015

    • 著者名/発表者名
      新川登亀男他
    • 総ページ数
      159
    • 出版者
      東京国立博物館

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公開日: 2016-06-01  

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