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2013 年度 実績報告書

創造性についての素朴理論と創造力についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 12F02314
研究機関一橋大学

研究代表者

阿久津 聡  一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 教授

研究分担者 O'CONNOR Alexander John  一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 外国人特別研究員
キーワード創造性 / 素朴理論 / エンティティ / インクリメンタル / 承認 / シェア / 社会的拒絶
研究概要

我々はこれまでの研究で、「エンティティ理論」と「インクリメンタル理論」の二つから成る「創造力の暗黙理論」を明らかにし、それが「知性の暗黙理論」(Dweck, et al., 1995)とは異なるものであることを実証的に示した。そして、エンティティ理論がインクリメンタル理論に比べて人々の創造性の発揮を阻害していることを示した(O'connor, Nemeth, & Akutsu, 2013)。さらに、これまでの研究から、「エンティティ理論」の保持者はグループ内で他者と協力して創造性を発揮することに消極的であることが報告されているが、本研究ではその理由をいくつかの要因に特定した。具体的には「剽窃の恐れ(fear of theft)」や「拒絶の恐れ(fear of rejection)」等である。
さらに、これまでの調査を通して、他人から自己のアイデアを拒絶されることへの不安の高さが彼らの協力行動に影響を及ぼすことがわかった。すなわち、この不安の高い個人は、そうでない個人よりもアイデア共有に関して消極的であるということである。そして、これはアイデアの共有を要求するような場面(i.e. ブレインストーミング)においても同様にみられた。申請者らは、実験を通してこの影響を検証した。ここでは、「アイデア共有に対する不安度合い」をあらかじめ測定した上で参加者には実験に参加してもらった。その上で、参加者をグループ(4人ずつ)に分けた上で、課題に対するグループディスカッションをしてもらった。この調査はまだ継続中であるが、現時点で上記の予想を支持している。
【参考文献】Dweck, C, S., Chiu, C., & Hong, Y. (1995). Implicit theories and their role in judgments and reactions : A world from two perspectives. Psychological Inquiry, 6, 267-285.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

科研費の有効な活用及び共同研究者同士の密な打ち合わせを実施している為、研究はおおむね順調に進展している

今後の研究の推進方策

平成26年度は、集団場面での個人の創造性発揮のメカニズムに影響を及ぼす要因を特定することを狙いとする研究を実施していく。より具体的には、不安の高い個人が、一時的にせよアイデア共有をより積極的に行うためには、どのような操作が効果的なのかを検証する。はじめの数か月で、実験デザインを決定した上で調査を実施する。その後、結果を早急にまとめた上で、組織行動分野のジャーナルへ投稿する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Consequences of Beliefs about the Malleability of Creativity2013

    • 著者名/発表者名
      Alexander J. O'Connor. Charlan J. Nemeth. Satoshi Akutsu.
    • 雑誌名

      Creativity Research Journal

      巻: 25 ページ: 155-162

    • DOI

      10.1080/10400419.2013.783739

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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