研究概要 |
平成24年度は、毎日新聞の2000年から2011年の新しいコーパスを使い,最新の形態素解析ソフトを駆使して,漢字の音・訓発音の比率,1つの漢字が漢字二字熟語を作る際のパターンを示すエントリピー,冗長度および対称性など多様な指標からなる新しい常用漢字表(2,136字)に合わせた漢字特性を示すデータベースを作成した。さらに、これをWeb上で検索できる検索エンジンを作成した。このサイトからは、選びたい漢字を基準にしたがい自動的に選択することができ、また漢字を入れるとその特性を漢字データベースから自動的に呼び出すことがでるようになっている(http://www.kanjidatabase.com/search.php)。これにより、世界のどこからでも漢字の特徴の検索と漢字刺激の選択ができるようになった。さらに、「一対多」の書字から音韻への活性化が起こることを証明した論文をQuarterly Journal of Experimental Psychology(2012)に掲載した。さらに、漢字一字から意味と音韻情報を取り出すのに、漢字全体からの活性化なのか、あるいは構成要素から情報を取り出しているのかを検討するために、意符と音符からなる漢字の音韻処理と意味処理の状況を眼球運動で測定する実験を実施している。
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