研究課題/領域番号 |
12F02316
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤井 稔 神戸大学, 大学院工学研究科, 教授
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研究分担者 |
DHARA Soumen 神戸大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | ナノロッド / ナノワイヤ / Si / ZnO / 歪 / 非線形光学応答 |
研究概要 |
本年度は、半導体ナノワイヤへのドーピング及び歪制御に関して以下の3項目の研究を行った。 1) ZnO/ZnSコアシェル型ナノワイヤへのAlドーピング ZnOコアとZnSシェルからなるナノワイヤの作製方法とナノワイヤへのAlのドーピング方法を開発した。Alドーピングにより、ナノワイヤの電気伝導度が2桁向上することを見出した。また、ドーピングによりZnOの紫外発光強度が大幅に向上した。ZnSシェルの形成とAlのドーピングによりZnOナノワイヤの電気伝導特性と発光効率を同時に改善した今回の成果は、ZnOナノワイヤベースの紫外発光デバイス実現への大きな前進であると考えている。 2) ZnOナノワイヤへの希土類イオンのドーピングによる2次高調波発生効率の増強 基板上に配列したZnOナノワイヤの2次高調波発生について研究を行った。特に、ドーピングによる2次高調波発生効率の増大を目的に材料開発を行った。その結果、ZnOナノワイヤに希土類元素であるEuをドーピングすると2次高調波発生効率が増大することを見出した。発光特性の解析等から、ドーピングによるZnO格子の対称性の低下が2次高調波発生効率増大の起源であることを明らかにした。 3) Siナノ結晶への歪の導入と3次非線形光学応答の増大 ボールミリング法で作製したSiナノ結晶が非常に大きい3次非線形光学応答を示す事を見出した。また、3次非線形光学応答が、Siナノ結晶の格子歪に依存して変化することを見出した。非線形屈折率は格子歪の増加とともに増大し、一方2光子吸収は低下した。現在、研究を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、不純物のドーピングもしくは歪を導入したSi、ZnOのナノ粒子、ナノワイヤの作製に成功した。また、それらがナノ結晶の光学特性, 特に非線形光学応答にどのような影響を及ぼすかについて、多くの新しいデータを得ている。一部については、すでに論文に発表している。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の2)、3)を継続して実施しさらに発展させる。また、ZnOナノワイヤへのAlとEuの同時ドーピングによる非線形光学応答のさらなる増大に向けて研究を行う。さらに、ZnOナノワイヤをPMMA (poly-methyl methacrylate)に埋め込んだ無機-有機複合ナノワイヤ構造を実現し、その光学特性、特に非線形光学応答を明らかにする。
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