研究課題/領域番号 |
12F02322
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高田 昌広 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授
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研究分担者 |
MORE Anupreeta 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 外国人特別研究員
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キーワード | 暗黒物質 / 重力レンズ / 銀河サーベイ |
研究概要 |
観測者、レンズ天体および背景の天体が視線方向上にほぼ一直線上に並ぶときに起こる強い重力レンズ効果は極めて稀な現象である。このため、重力レンズ効果を無バイアスに探すためには、広視野撮像サーベイが必要になり、この稀少な重力レンズサンプルを暗黒物質の分布の研究に用いることができる。しかしながら、撮像サーベイから自動的、系統的にアークあるいはひしゃげた形状のレンズ候補天体像を探すことを可能にするアルゴリズムは十分に開発されていない。今後、益々大規模撮像サーベイが行われることから、このような自動アルゴリズムを開発することは極めて重要であり、またそのアルゴリズム・ソフトウエアを実際のデータでテストする必要がある。本研究者らは、模擬シミュレートした撮像データを用い、重力レンズ天体探査の自動アルゴリズム・ソフトウエアをテストおよび検出効率を調べ、そのインプットパラメータの改善を行っている。 また、本研究者らは市民参加型サンエンスプロジェクト"Science Warps"を主導的に推進している。これは、一次処理された撮像データ、天体カタログイメージをウェブで全世界に公開し、大量データから重力レンズ天体を探して貰うというプロジェクトである。このScience Warpsは重力レンズ天体探査アルゴリズムを客観的にテストし、改良をする観点で重要である。本研究者らは、天体カタログの整備、疑似シミュレート重力レンズ天体、および公開ウェブの全体的な整備等について、この研究を牽引している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
撮像データから重力レンズ候補天体を探すための自動的アルゴリズム・ソフトウエアの開発が順調に進んでおり、実際の大規模データに適用する準備ができている。
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今後の研究の推進方策 |
25年度から本格的に始まるすばる超広視野Hyper Suprime-Camサーベイに上述の重力レンズ天体自動検出アルゴリズムを適用し、銀河群スケールの重力レンズ天体サンプルを構築する。
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