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2012 年度 実績報告書

酸化グラフェンナノシート上で成長した貴金属ナノ粒子の電気化学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 12F02335
研究機関京都大学

研究代表者

小山 宗孝  京都大学, 工学研究科, 准教授

研究分担者 CHEN Xiaomei  京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
キーワードグラフェンナノシート / 金属ナノ粒子 / 電極触媒反応 / 白金 / パラジウム
研究概要

初年度は、4ケ月半という短期間ではあったが、CHEN氏のこれまでの経験に基づいて非常に効率よく検討を進めることができた。具体的には、来日直後から酸化グラフェン溶液および化学還元した酸化グラフェンの溶液調製に着手して、一ヶ月半程度で基板となるグラフェンを定常的に調製できるようになった。その後、それらと金属ナノ粒子の複合化に関して、白金、パラジウム、および、その合金を対象にしてナノ複合化に関する研究を進展させ、それらを電極表面に修飾した場合に発現する電極触媒特性を電気化学的に評価して研究を進めることができた。
それらの成果の一例として、白金・パラジウム合金系では、ジメチルホルムアミドを還元剤兼構造規制剤として利用することによって、合金ナノキューブとグラフェンとの複合化が可能であることを新たに見出してメタノールの電極触媒酸化に応用した。その結果、調製したナノキューブは、合金の球状ナノ粒子に比べて高い電極触媒特性を有することを明らかにできた。この成果に関しては、現在原著論文として投稿準備中である。
また、その他にも、パラジウムナノ粒子とグラフェンナノシートとの複合化についても実際に検討を行って、メタノールの電極触媒反応に加えて、過酸化水素の電極触媒還元についても検討した。その結果、微細なパラジウムナノ粒子をグラフェンと複合化したナノ材料は、過酸化水素の電気化学センシングにおいても有効に機能することが、この検討の結果から明らかになった。
さらに、当初予期しなかった成果として、ナノ材料の触媒特性の評価として、予定していた電気化学測定に加えて、現有するストップトフロー装置での反応解析・評価も有効であることがわかった。そのため、解析できる反応系が、電極電子移動系だけでなく均一溶液内反応系に拡がった。今後は、後者の反応系にも対象を拡大して検討を行う計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

11月の来日であったが、ひと通りの必要な検討を行ったのち、実際の研究段階に入り、ひとつのテーマではすでに論文として報告するのに十分な成果を得ている。また、それに限らず、金属ナノ粒子グラフェン複合材料に関する検討を広く進めて、興味深い結果を得つつある。ここまでの進展は、初年度には時間的制約から期待していなかったものである。そのため、明らかに当初計画以上に進展していると評価する。

今後の研究の推進方策

現在のところ当初計画以上に研究が進展しているので、さらに研究を展開させできるだけ多くの成果を挙げるようにする。また、当初計画で挙げていなかったストップトフロー法による均一溶液中での触媒反応特性の評価についても、多面的かつ有用な指標と考え、検討を拡げていく計画である。

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公開日: 2014-07-16  

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