研究概要 |
本研究は匂いによって人を探知する匂いセンサ(e-nose)技術の確立を目指し, 検知対象ガスを効率よく分離できる分子フィルタと安定なガス検知部を組み合わせた実用性能を確保したセンシングシステムを構築する. このために, 1)匂い分子フィルタの開発, 2)センサアレイ型e-noseセンサシステムの構築, 3)多変量センサ出力により人を検知・識別するソフトウェアの3点について研究開発を行った. 第2年度は本研究の目的である匂いによる人の検知の基礎研究として, ガスクロマトグラフィの体臭を計測・分析し, 体臭による人の識別が可能かどうかを調査した. その結果, カーネル主成分分析法によって人によって異なるマッピングが可能であることを見出し, 体臭による人の検知・識別の予備的結果を得た. 続いて, 匂い分子フィルタ吸着剤を作成し, 匂い分子フィルタ吸着剤を組み込んだマルチチャネルセンサシステムによって代表的な匂い物質を測定し, データフユージョン法によって解析を行った, その結果, 物質識別と濃度推定が可能であることが分かった. さらに, 匂い分子を認識できる分子鋳型ポリマ膜を作成し, そのガス選択性能を分析し, 水晶振動子式ガスセンサとしての応答特性を測定し, 匂い識別能を調査した. センサアレイe-noseシステムのデータ解析については, 上記の実測定データを用いた解析技術に加えて, SAWセンサモデルデータも用いることでe-noseシステムに最適なデータ解析技術を探索し, 研究を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
センサおよびセンシング材料のいずれについても研究開発を着実に実行しており, また, 目的としている人の匂いのセンシングについても実施できている. 加えて, 様々なデータ解析技術を新たに導入し, センサアレイデータの解析に用いていており, その点でも計画通りに研究開発が実施できている.
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