研究課題/領域番号 |
12F02377
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
柿本 健一 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 教授
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研究分担者 |
DUBEY Ashtosh, Kumar 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | ハイドロキシアパタイト / スパークプラズマ焼結 / 傾斜機能材料 / 多孔質 / 骨類似材料 / 無鉛圧電セラミックス |
研究概要 |
本研究は、「鉛を含まない圧電セラミックス」の新しい応用分野として骨疾患の治癒に有効作用する骨補修剤等の医用材料分野を切り拓くことを目的とする。昨年度までに、生体骨と類似成分であるハイドロキシアパタイト(HA)、無鉛圧電体セラミックスおよび気孔部からなる複合材料フレームの合成法を確立した。 そこで、H25年度は、複合材料フレーム中のHa部/圧電セラミックス部/気孔部それぞれの体積比が異なる多孔体複合セラミックスを合成して各種イオン性溶液に浸漬し、バイオミメティック反応によって表面に非晶質リン酸カルシウム水和層および低分子量の造孔成分を自己析出させる評価実験を進めた。さらに、圧電体セラミックス部の空間電荷が表面析出層の形成過程に与える影響を調べた。特にイオン性溶液中において、セラミック層と表面析出相界面で生じるイオンチャネルのトラップ機構を調べる目的で、圧電セラミックス部から供給される空間電荷の役割を明らかにした。 インピーダンスアナライザおよび微小電流計測装置を用いて、複素誘電率の周波数依存性および表面電荷の蓄積量を定量的に推察したところ、35vol%の圧電セラミックス部を含む多孔質複合材料フレームを合成する際のプレ・プレス圧力を適切化した場合に、圧力ゼロのサンプルと比較して約4倍の比誘電率等が得られた。一方、複素インピーダンスの温度依存性評価から、粒界成分の活性化エネルギーは酸素イオン空孔に関係していることが類推され、圧電セラミックス部のこのイオンチャネリングが表面析出層の結晶化メカニズムに与える影響を考察した。さらに、生体親和性を評価し、これらの成果を取りまとめて誌上1および学会発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すぐれた分極性能を示す強誘電/圧電材料が再生培養骨用の担体(フレーム)に有効利用できる可能性を見出すことを目的としており、2年目に計画した電気物性と生体親和性に関わる評価ついて計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
複合材料フレームの孔質部表面で期待される空間電荷による電気刺激が培養骨の成長促進に寄与するメカニズムを提案および実証していく。
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