研究課題/領域番号 |
12F02384
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北澤 大輔 東京大学, 生産技術研究所, 准教授
|
研究分担者 |
ISLAM Md.Nazrul 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
|
キーワード | 流れ場・生態系モデル / ECOPATHモデル / 数値シミュレーション / 現地観測 / 釜石湾 |
研究概要 |
平成24年度は、(1)釜石湾を対象とした環境データの取得、(2)流れ場・生態系結合数値モデルによる数値シミュレーションの実施と観測データとの比較による検証、(3)ECOPATHモデル(平衡状態を仮定して、各構成種の捕食、消費等による生物量の変化の収支をとることにより、生物量を求めるモデル)の習熟と漁獲データの取得を目的として研究を実施した。釜石湾周辺の気象データ、河川データ等をウェブを通して収集するとともに、2ヶ月に約1回の定期観測の一環として、1月、3月に水質や底質の現地観測を行い、数値シミュレーションの検証データを得た。この現地観測は、東京大学の研究者と共同で実施しているものであり、研究代表者および研究分担者は主に採水、採泥作業を担当し、他の研究者に水温、塩分、溶存酸素濃度データの取得、栄養塩濃度、重金属類濃度、放射性物質濃度の分析を依頼している。また、流れ場・生態系結合数値モデルであるMEC(Marine Environmental Committee)モデルの使用方法を習熟するために、釜石湾を見立てた矩形湾を対象として数値シミュレーションを実施し、数値モデルの基本的な性能を確認した。さらに、研究分担者が、2013年2月26日~28日にスコットランドで開催されたECOPATHモデルのトレーニングコースに参加する機会を得て、ECOPATHモデルの使用法に習熟した。その結果を踏まえて、MECモデルとECOPATHモデルの結合に向けて、インターフェースの概念設計を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)釜石湾を対象とした環境データの取得、(2)流れ場・生態系結合数値モデルによる数値シミュレーションの実施と観測データとの比較による検証、(3)ECOPATHモデルの習熟と漁獲データの取得のうち、(1)はおおむね環境データを整理した。(2)は、矩形湾での検討にとどまったものの、(3)は、ECOPATHモデルのトレーニングコースに参加する機会が得られたため、当初の予定よりもモデルの理解が進んだ。したがって、全体としては、おおむね順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、従来どおり、2ヶ月に1回程度の頻度で現地観測を継続し、環境データの蓄積を図る。また、流れ場・生態系結合数値モデルを釜石湾の数値シミュレーションに適用し、現地観測データとの比較により詳細な検証を行う。平成25年度には、流れ場・生態系結合数値モデルとECOPATHモデルとを結合した解析を行う予定である。
|