研究課題
陸生高等植物の葉の表皮に存在する気孔は、多くの植物病原菌の侵入経路となっている。微生物の侵入を阻止するために、孔辺細胞は微生物由来エリシターを認識し、孔辺細胞エリシター信号伝達を介して、気孔閉口を誘導する。しかしながら、シロイヌナズナにおけるエリシター誘導気孔閉口へのMAPキナーゼの関与は十分に明らかにされていない。本研究では、材料にシロイヌナズナMAPキナーゼ変異体を用いて、エリシターが誘導する気孔閉口へのMAPキナーゼの関与を明らかにすることを目的とした。実験では、気孔運動(気孔閉口と開口阻害)、セカンドメッセンジャー産生(活性酸素種産生、一酸化窒素産生、細胞質カルシウム濃度上昇、細胞質アルカリ化)、イオンチャネル活性(原形質膜非選択性カルシウムチャネル活性化、S型アニオンチャネル活性化、原形質膜内向き整流性カリウムチャネル阻害)の変化を調べた。また、エリシターとして、キトサンと酵母エリシターを用いた。活性酸素種産生はH2DCF-DAを、一酸化窒素産生はDAF2-DAを、カルシウム濃度上昇はYC3.6を、そして、アルカリ化はBCECF-AMを用いて測定した。エリシター誘導気孔閉口にMAPキナーゼが関与することを明らかにした。また、他の刺激に対するMAPキナーゼの関与について知見を得た。さらに、異種発現系を用いて、エリシター誘導気孔閉口へのMAPキナーゼの関与について調べ、直接的なチャネル活性の制御はないことを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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