研究課題/領域番号 |
12F02397
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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研究分担者 |
AHMED Iftikhar 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | ホウ素 / 細菌 / ゲノム配列 / 変異 |
研究概要 |
ホウ素は植物の必須元素でありその生物との関わりは興味深いところである。真核生物においてはホウ素に対する応答にあまり多様性は無いが、細菌を中心とする微生物分野では幅広い多様性が見いだされることが多く、ホウ素についても様々な輸送や蓄積が見られるのではないかと考えられる。そこで本研究はホウ素過剰に耐性の微生物のホウ素耐性機構を明らかにするとともに、ホウ素耐性微生物を新たに検索することを目的としている。このような研究はこれまでに例が無く、生物とホウ素の新たな関係を明らかにする可能性がある。これまでのAhmed博士の研究によって、複数のホウ素過剰性を示す新種細菌が同定されている。これを基に、二つの柱で研究を進めるている。一つ目はこれまでにAhmed氏が同定した飽和濃度のホウ酸に耐性かつホウ素要求性の細菌のゲノム配列解析と、変異株の解析を通じて、超高濃度のホウ素に耐性を示す仕組みやホウ素要求性となる仕組みを分子レベルで明らかにする。もう一つは新たにパキスタン等の土壌からホウ素に関連した新たな微生物を同定することである。細菌とのホウ素の関わりについては、これまでにAhmed博士が同定した複数の菌株やパキスタンで同定された菌株ゲノム配列解析のためのDNA抽出方法の検討をへてDNA抽出やサンプル調整を行い、配列決定を依頼した。また、パキスタンで見いだされた細菌についての同定のための研究を地道に進めて来ている。Ahmed博士の研究は極めて独自性が高く、細菌とホウ素の関係という新たな次元を切り開くものであり、本研究はこれまでに無かった、「ホウ素微生物学」への道を開くものであると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本人は至ってまじめに日夜研究に取り組んでおり、成果を挙げつつある。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では特に大きな問題点を感じていないので、当初の予定通り進めて行きたいと考えている。
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