研究課題/領域番号 |
12F02505
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
柴崎 正勝 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 所長
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研究分担者 |
YIN Liang 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所・有機合成研究部, 外国人特別研究員
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キーワード | 4置換炭素 / 不斉触媒 / 協奏機能型触媒 / 不斉アルキニル化 / ケチミン |
研究概要 |
本研究は、現代有機化学における最重要課題の一つである不斉4置換炭素の効率的な構築法の開発を主眼としている。大きな立体障害を伴う4置換炭素構築反応は非常に反応性が低く、多量の活性化試薬等の援用により低反応性の克服がなされているのが現状であるが、本手法では必然的に多量の副産物の生成を伴うため、原子効率・低環境負荷有機合成の観点から改善の余地が残されている。本研究計画では、求核剤・求電子剤の同時活性化機構を発現する協奏機能型不斉触媒を用いることで、余剰の活性化試薬の使用を排除した完全原子効率の4置換炭素構築型触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応開発を目指す。ターゲット反応として、未だ達成されていない末端アルキンのケチミンへのダイレクト型触媒的不斉付加反応の開発を目指し、研究に着手した。ケチミンの低い求電子性が反応進行の大きな妨げとなっている実験的事実が得られたため、ケチミンの触媒的活性化を可能にする反応系のデザインを行った。種々検討の結果、ケチミンの窒素上の保護基としてチオフォスフィノイル基を用いることで、ソフトルイス塩基性のP=S官能基のソフトルイス酸触媒による活性化機構が駆動することを見いだした。触媒として、mesitylcopper/Ph-BPEを用いることで、末端アルキンのチオフォスフィノイルケチミンへの触媒的不斉付加反応が効率的に進行し、最高80%eeでα-4置換アミンが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目的であった原子効率100%のケチミンの触媒的不斉アルキニル化を開発するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
ソフトルイス塩基性求電子剤を用いる求核剤・求電子剤の同時活性化機構が強力な反応進行の駆動力となる事を見いだした。今後は、本触媒機構を利用して種々の不斉4置換炭素構築型反応の開発に注力する。
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