研究課題/領域番号 |
12F02512
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
白須 賢 独立行政法人理化学研究所, 植物免疫研究グループ, グループディレクター
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研究分担者 |
JOSIAH MuseimbiMutuku 独立行政法人理化学研究所, 植物免疫研究グループ, 外国人特別研究員
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キーワード | 植物 / 生理学 / 病理学 / 遺伝子 |
研究概要 |
1年目である平成24年度はケニアからStriga hermonthicaおよびStriga asiatica種子を収集するため、ケニアの研究者とのコンタクトを開始した。IITA-Kenya BecA-ILRI HubのMorag Ferguson博士,Crop Science Department, Pwani UniversityのHemedi Mkuzi Saha教授と密接に連絡をとり、本研究の連携者として,研究に参加していただけることとなった。これによって、ケニアとの研究を推し進めることが可能となった。また本研究室において、遺伝子多様性及び形質転換に関する実験を開始した。遺伝的多様性の研究では、研究室において実験に用いる宿主植物イネ、ソルガム、トウモロコシなど、またS. hermonthicaやS. asiaticaの育成を開始した。特に宿主植物イネに感染する系をセットアップし、宿主植物イネがStrigaに感染された際のRNAを抽出した。時間を追いどのタイミングでどのような遺伝子が発現してくるかをqRT-PCRを用いて解析した。この際、植物免疫のおける遺伝子発現マーカーである、ジャスモン酸、エチレン、サリチル酸誘導遺伝子群を用いた。これらの遺伝子群が感染の初期より発現していることから、宿主植物は寄生植物を認識しており、それに対して防御するためのシステムを稼働させていることが明らかになった。さらにRNA-SEQ等を用いて詳細に解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケニア側の研究者とのコンタクトに成功し、これからの共同研究体制が構築できたことは非常に大きな成果といえる。これにより、Strigaの多様性等、ケニアでしかできない研究を遂行することが可能となった。また本研究室内において宿主植物と寄生植物の育成システムが確立できたこと、さらには感染時における遺伝子発現のパターン解析ができたことも、これからの研究を進める上での基盤が構築できたことを示している。
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今後の研究の推進方策 |
Strigaと宿主植物の間にある相互関係の遺伝子転写分析を目的とした形質転換の実験は、Ishida_et_a1.(2011)及びTrick_and_Finer(1997)の手法ならびに研究室に備わる機器を用いて、Striga、ソルガム及びメイズの形質転換を実施する。アグロバクテリウムのストレインを集め、形質転換能力を判定する。また温度、ホルモン、培地、各種阻害剤などの組み合わせを試し、形質転換能力を判定する。アフリカの共同研究先であるKenya_Agricultural_Research_Institute(KARI)に赴き、サンプル収集を引き続き行う。7月に行われる国際寄生植物学会に参加し、研究発表を行う。
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