研究課題/領域番号 |
12F02713
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大熊 盛也 独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 室長
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研究分担者 |
MARTINEZ Anna 独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 外国人特別研究員
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キーワード | 共生 / シングルセル解析 / 原生生物 / 難培養微生物 |
研究概要 |
自然界の微生物は、ほとんどが培養困難で通常複雑な群集をなしており、自然界の莫大であるが未利用の微生物資源を利活用することが将来大変重要になっている。最近では微生物群集を丸ごと解析するメタゲノム解析が盛んであるが、メタゲノム解析だけではどの微生物種がどの機能を有しているかなどの基本的な理解には至っていない。本課題では、セルロース資源の有効利用に働くシロアリの共生原生生物を題材とし、個々の種の機能の解明とそれら難培養微生物の遺伝資源を利活用できるようにすることを目的とし、培養を介さないで、原生生物の1細胞を単離して解析する方法を開発して適用することを実施した。 共生原生生物の遺伝情報を調べるにあたって、1細胞をハイスループットに単離することが有効と考え、フローサイトメータ装置を用いて、1細胞ずつ分取ずることとした。分取のために生細胞を染色する試薬等を試したが、腸内に多く共存する細菌の混入が問題になることが判明した。そこで、チューブリン抗体を用いた蛍光染色法を適用することとした。細胞固定と蛍光染色による影響を評価した結果、RT-PCR法は適用できないことが判明した。そこで、細胞の固定法を検討し、蛍光染色しつつ固定した細胞から全ゲノムを増幅できるように最適化を行った。アクチン遺伝子のPCR増幅を確認して、全ゲノムを増幅した後にPCR法で目的遺伝子を解析することできるようになった。これにより原生生物の遺伝子の解析のためのゲノムDNAが利用できるようになったが、一方で原生生物細胞には多種の細菌が共生しており、それらの細菌のゲノムDNAも同時に増幅されてしまうことが考えられ、細菌と原生生物に共通の遺伝子や、細菌から水平伝播したような原生生物の遺伝子の解析には問題も提起された。固定していない単一生細胞からcDNAを合成して、原生生物の遺伝子のみを解析することが重要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アクチン遺伝子の解析において、分子系統学的な解析技術の習得が遅れており、シングルセルで分取した原生生物種の分子系統学的な同定にいたっていない。特別研究員としての期限が近づいており、次のポジションを探す活動に時間を取られていることが、習得が遅れている主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
アクチン遺伝子の分子系統解析でシングルセルで分取した原生生物種の分子系統による同定を実施する。生きた細胞を分取してcDNAを合成して遺伝子を解析する方法について検討する。
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