研究課題/領域番号 |
12F02726
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松永 茂樹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授
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研究分担者 |
VICTORIA Peddie 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | カイメン / 培養細胞 / がん細胞 / 細胞毒性 |
研究概要 |
スクリーニング用試料の粗抽出物を液体クロマトグラフ-質量分析(LC-MS)分析に付して、未知化合物と思われる分子量およびクロマトグラフィーにおける挙動を示す化合物が含まれ、かつHeLa細胞に対する細胞毒性を示すカイメン試料(試料番号S08-353)を選定した。カイメンの抽出物を溶媒分画およびオープンカラムを用いたクロマトグラフィーにより、活性フラクションを得た。ついで、逆相のODSカラムクロマトグラフィーをアセトニトリルを用いて行い、各画分をLCMS分析に供した結果、分子量1134を示す分子を含み、かつ細胞毒性を示す画分を得ることができた。これをさらに、分取用逆相HPLC(コスモシル5C18-AR2)で精製し、210nmで検出したが、目覚ましいピークは得られなかった。そこで、HPLCからの溶出物を時間で分取し、各フラクションを質量分析に供することにより、目的の分子量を示す物質を含む画分を得ることができた。得られた画分の純度を上げるため、分取液クロを同カラムを用いて、0.1%酢酸の存在下で行い、およそ1mgの活性成分の単離に成功した。同様に、分子量1120の類縁化合物も得た。まず、分子量1134の化合物の構造解析をNMRを中心とする機器分析により実施した。CD3OD中で活性成分はよく分離された1H NMRシグナルを与えたため、2次元NMRを測定し、その解析を行った。長鎖脂肪鎖、ポリアミン、および、糖から構成されているため、それぞれの詳細な構造研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試料の量が少ないため、化合物を失わないよう注意深く実験を行った結果、進展は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、全体の平面構造は決定されたが、長鎖脂肪鎖中の水酸基の絶対配置の決定を行っている。本研究が終わったら、別のカイメンを材料として、さらに有用物質の発見を続ける。
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