研究課題/領域番号 |
12F02776
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
磯崎 博司 上智大学, 大学院・地球環境学研究科, 教授
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研究分担者 |
TELWALA Yasmeen 上智大学, 大学院・地球環境学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | REDD+ / 利益配分 / 森林 / 住民 / 共同管理 |
研究概要 |
世界的に森林の消失が続いており、森林生態系や生物多様性の減少、二酸化炭素吸収量の減少による気候変動への悪影響、地元共同体の生活基盤の不安定化などの問題を生じさせている。世界各地で様々な対応策がとられているが、それぞれの地元の環境・社会条件に則した森林共同管理を通じた利益配分の確保が重要とされている。そのため、地元への利益配分の実態について調査した。 本年度は9月からの研究開始になるため、日本および諸外国において公表されている森林の現状やその持続可能な管理に関わる文献や資料に基づいてこれまでの主張や論議を整理し、それらの実情について分析を進めた。他方で、森林保全には国際的動向が深く関わっているため、世界各他の比較研究および国際動向の分析を行った。特に、ミレニアム開発目標、国連森林フォーラム、国際熱帯木材協定、気候変動条約、生物多様性条約、その他関連条約の動向と、その下でのREDD+に関わる制度枠組みとセーフガードの項目について検討を加えた。 また、ボゴール国際林業研究センターワークショップおよびアリゾナメソッドワークショップや国連大学高等研究所の研究会において、本研究の目的および研究計画について討論するとともに、コメントや提言を受けて、研究計画の改善と向上に努めた。同様に、関連する研究者やNGOなどにヒアリング調査を行い、今後の研究協力を円滑に進めることができるように人的ネットワークの確立に努めた。 併せて、来年度に予定しているインドおよびその他の地域におけるREDD+に関わる活動の現状を把握するための調査に備えて、政府および非政府関係者に対する聞き取り調査、プロジェクトに直接関わりまたはそれにより影響を受けた当事者とのフォーカスグループ討議、プロジェクト周辺に住んでいる集団の調査などについて企画と準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
REDD+に関する国際動向と制度枠組みに関する現状の正確な把握が予定通りに進んでいるとともに、来年度に想定されている現地調査の企画準備も整えられつつある。
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今後の研究の推進方策 |
インドおよびその他の地域において現地調査を実施し、そのとりまとめ作業を行うとともに、国内外の研究会において本研究の中間報告を行ってコメントを求め政策提言につなげる。
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