研究概要 |
現在までのところ、我々は研究を当初計画通り順調に進めてきている。特に、以下に示す2つの成果を挙げてきた。1つ目は、与那国島から種子島にわたる全南西諸島域に関し、GISおよびリモートセンシングのデータセットを整備したことである。このデータセットを解析することで、41の島嶼に関し陸域の標高、土地利用、都市化の程度、人口、サンゴ礁の構成要素(岩礁、サンゴ、海藻被度)といった情報を抽出し、また海域の表層海水温、湧昇指標、濁度、サンゴ礁微地形、漁業の影響度、保護地区の情報を定量化した。併せて、台風や津波被害の歴史的履歴についても空間的に算出した。こうした情報を用い、南部13の島嶼に関して、サンゴ礁の社会経済学的脆弱性を明らかにしプロットすることに成功した。上記に関する成果は、2013年4月に中国・北京で開催された35th International Symposium of Remote Sensing of Environmentにおいて報告した。 2つ目の成果として石垣島・白保、沖縄本島・瀬底島、種子島・南種子周辺海域を重点海域として選定し、その周辺に関し超高解像度でGISおよびリモートセンシングデータを整備した。白保に関しては2003,2004,2007,2010,2011年の画像を、瀬底島に関しては2002,2005,2006,2007,2009,2011,2013年の画像を、種子島・南種子に関しては2003,2004,2008,2010年の画像を取得した。またGround-truthの為の現地調査を上記3重点海域で実施し、詳細な地形データ及び底生生物に関するビデオデータを取得した。今後、現地調査で取得したデータを基に衛星画像のデータを校正し、サンゴ被度等の時系列的な情報を抽出する予定である。
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