研究課題/領域番号 |
12J00031
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 丈二 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | 多孔性材料 / リチウムイオン二次電池 / モノリス電極 / 電気二重層キャパシタ |
研究概要 |
多孔性リン酸鉄リチウム/炭素複合体モノリスを、相分離を伴うゾル-ゲル法により作製した。試料の出発組成および作製条件の検討の結果、試料の炭素含有量およびマクロ孔径の制御が可能となった。また、作製した多孔体を用いてモノリス型電極を作製し、電気化学測定の実験系の確立を目指したが、まだ改善の余地が残っている。一方、モノリス型多孔体を粉砕して得た粉末を用いて従来型の合剤電極を作製してその電気化学特性を調べ、モノリス電極との違いについて調べた。 さらに、ケイ酸鉄リチウムやチタン酸リチウムについても多孔性モノリスの作製を試みており、ケイ酸鉄リチウムにおいては、マクロ孔径の制御に成功した。得られた試料を用いて、細孔径の電極容量に与える影響について調べた。 多孔性シリカ/炭素ナノ複合体モノリスから、シリカをアルカリ溶液中でのエッチングにより除去し、制御されたマイクロ孔を有する高比表面積の炭素モノリスを作製した。これをモノリス型電極として用い、様々な水溶液系電解液中での電気二重層容量を調べ、マイクロ孔径分布、電解液のイオン径、および電気二重層容量に関する知見を得た。これまでの研究の多くは活性炭の合剤電極を用いていたため、細孔がバインダーなどの添加剤により埋まり、正確な情報を得ることが困難であったが、本研究によりそれが初めて可能となった。本研究は、電気二重層容量の高容量化に必要な基礎的知見を得たという点において、非常に意義深いと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多孔性モノリス電極という、新しい形態の電極の電気化学特性評価をはじめ、研究は期待通りに進展したと言える。
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今後の研究の推進方策 |
モノリス電極の評価を行うための電気化学セルについて改善点があるので、新しいセルを設計・作製しながら、研究を進める予定である。
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