研究課題
相分離を伴うゾル-ゲル法により作製したTiO2多孔体を水酸化リチウム水溶液中で処理したのち、焼成することで多孔質スピネル型チタン酸リチウムを作製した。水酸化リチウム水溶液中での処理によりTiO2の溶解再結晶が起こり、多孔質骨格表面に花弁状構造を形成させることができる。この複雑なナノ構造を有するチタン酸リチウム多孔体をリチウムイオン電池およびナトリウムイオン電池電極として応用し、その電気化学特性の評価を行った。その結果、ナノ構造を有するチタン酸リチウム電極は、リチウムイオン電池負極として優れたレート特性を示し、また、ナトリウムイオン電池負極としても有用であることが分かった。さらに、ナトリウムイオン電池負極として用いた場合には、リチウムイオン電池の場合に比べ、レート特性の低下が見られたが、作動温度を上昇させることにより、レート特性の改善が可能であることを見出した。また、ナトリウムイオン電池用負極である多孔性ハードカーボン電極の開発および細孔特性制御を行った。さまざまな細孔構造と異なる結晶化度を有する電極のナトリウムイオン電池負極特性を比較することで、それらの特性が電池性能に与える影響について詳細に調べた。現在、さらに詳細な検討を行うために、放射光施設を利用した研究を検討中である。さらに、界面活性剤のミセル鋳型法と相分離法を組み合わせることにより、2d-hexagonal構造のメソ孔およびマクロ孔を有するフェノール樹脂の作製に成功し、その炭素化により、階層的多孔構造を有するハードカーボン電極を作製した。得られた電極は、ナトリウムイオン電池負極として、優れた容量およびレート特性を示した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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