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2013 年度 実績報告書

自己推進運動系における自発的対称性の破れとモード分岐

研究課題

研究課題/領域番号 12J00127
研究機関京都大学

研究代表者

高畠 芙弥  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード非平衡開放系 / 自己推進運動 / マランゴニ流 / 運動モード転移
研究概要

本研究では、非生物系から成る実空間モデル系の実験を基軸として、生体に代表されるような非平衡開放系における自己推進運動のメカニズムに迫り、その本質を捉えたモデルを構築することを目的としている。本年度は昨年度に引き続き、マランゴニ効果に駆動される自己推進運動系に関する実験と理論的解析を行った。具体的な実験系としては、レーザー光を用いて水上に浮かべた油滴を局所的に加熱することにより引き起こされる、液滴の自己推進運動を扱った。具体的な研究結果を以下に述べる。
(1) 液体基盤の組成(界面活性剤濃度)を変えて系統的な実験を行った結果、界面活性剤濃度に応じて油滴の運動方向が変化することを見出した。界面活性剤濃度が非常に低い場合や純水の場合には液滴はレーザー焦点から逃げるのに対し、十分に濃度が高い時にはレーザー光に引き寄せられる様子が観測された。共同研究により、気水界面・油水界面における界面張力の温度依存性のバランスによって液滴の運動方向が決定付けられることが明らかになった。
(2) 液滴がレーザー光に引き寄せられるような条件下において、レーザー出力を変化させた際の液滴の運動様相を調べた。その結果、レーザー出力を上げていくと、駆動力の増加に伴って静止状態から往復運動、回転運動へと運動モードが変化することが実験的に見出された。この運動モード転移は、駆動力の時間遅れを考慮に入れた力学モデルにより定性的に再現された。これにより、駆動力が十分に大きい時には運動の左右対称性が自発的に破れ、回転運動が生じ得ることが示された。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Controlling negative and positive photothermal migration of centimeter-sized droplets2013

    • 著者名/発表者名
      M. Ichikawa, T. Iwaki, F. Takabatake, K. Miura, N. Magome, K. Yoshikawa
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 88 ページ: 012403

    • DOI

      10.1103/PhysRevE.88.012403

    • 査読あり
  • [学会発表] レーザー照射が引き起こす液滴運動のモード分岐2013

    • 著者名/発表者名
      高畠 芙弥、吉川 研一、市川 正敏
    • 学会等名
      第3回 ソフトマター研究会
    • 発表場所
      首都大学東京 国際交流会館
    • 年月日
      2013-12-13
  • [学会発表] レーザー照射による㎝サイズ液滴の運動 : 温度マランゴニ効果が引き起こす運動モード分岐2013

    • 著者名/発表者名
      高畠 芙弥、吉川 研一、市川 正敏
    • 学会等名
      日本物理学会2013年秋季大会
    • 発表場所
      徳島大学
    • 年月日
      2013-09-26
  • [学会発表] Mode-switching in the droplet motion under local temperature gradient with laser2013

    • 著者名/発表者名
      F. Takabatake, K. Yoshikawa, M. Ichikawa
    • 学会等名
      International Soft Matter Conference 2013
    • 発表場所
      Rome, Italy
    • 年月日
      2013-09-17
  • [学会発表] 局所的温度勾配下における液滴運動のモード分岐2013

    • 著者名/発表者名
      高畠 芙弥
    • 学会等名
      第一回 西日本非平衡ミニシンポ
    • 発表場所
      九州大学箱崎キャンパス
    • 年月日
      2013-05-31

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公開日: 2015-07-15  

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