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2013 年度 実績報告書

ジルコンインクルージョン法の高温変成岩の適用、応用

研究課題

研究課題/領域番号 12J00237
研究機関筑波大学

研究代表者

齋藤 陽介  筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードジルコン / 高温変成岩 / カソードルミネッセンス像 / メルト包有物
研究概要

高温変成岩中に含まれるジルコンの包有物、及びジルコンを含む母岩の形成条件を系統的に研究した例は乏しい。したがって本研究では、主に高温変成岩中のジルコン包有部に着目した。本年度は、東南極Lutzow holm岩体から採取された高温変成岩に対象に、ジルコンに含まれる包有物から変成作用の履歴を推定することを目的とする。
これまでに約350サンプルの薄片を作成して、鏡下でジルコンが包有物を含んでいる約65サンプルを選定した。65サンプルの内訳は、花崗岩質片麻岩5サンプル、超苦鉄質ラニュライトが2サンプル、残りが泥質片麻岩、砂質片麻岩であった。合わせて、ジルコンの産状を確認して形成ステージを推定した。当初の想定よりも、多くのサンプルのジルコンに包有物が含まれていた。
次に、X線マイクロアナライザーやラマン分光装置を用いて、包有物の同定を行った。包有物を同定した結果、ジルコンの包有物だけの情報から温度圧力条件を推定することは難しいことが判明した。研究に使用したラマン分光装置の改良を行ったため、物品費が当初の予定よりも37万円ほど超過した。一方ジルコンを含むサンプルから部分溶融を受けた痕跡を見出すことができた(結晶化したメルト包有物の発見)。このメルト包有物の組成を復元したうえで、メルト包有物が結晶化した温度圧力条件を推定した。約750-800℃、8kbar程度の条件で固結したことが分かった。
このようにジルコンの包有物単体で形成条件を推定することは難しいが、高温変成作用に特有な部分溶融時の現象とジルコンの関係性について研究することが今後の課題である。例えば、部分溶融が確実に起こっているサンプルに含まれるジルコンに対して、チタンージルコン地質温度計を適用するなどの手法が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ジルコンの包有物単独の情報から直接、形成条件を推定することが難しいことが判明したため。

今後の研究の推進方策

二年目にデータがある程度蓄積されている。しかしながらデータの解釈や意義については十分な結論が出ていない。
得られたデータの解釈や意義づけを行ったうえで順次公表する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Petrology and zircon U- Pb geochronology of metagabbros from a mafic-ultramafic suite at Aniyapuram : Neoarchean to Early Paleoproterozoic convergent margin magmatism and Neoproterozoic high-grade metamorphism in southern India2014

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Koizumi., Toshiaki Tsunogae, M. Santosh, Yukiyasu Tsusumi, T. R. K. Chetty., Yohsuke Saitoh
    • 雑誌名

      Journal of Asian Earth Science

      巻: (印刷中)

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-06-25  

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