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2013 年度 実績報告書

希土類酸化物を基盤とした新規な窒素酸化物浄化触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12J00427
研究機関大阪大学

研究代表者

辻本 総一郎  大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードNOx直接分解 / 希土類酸化物 / 立方晶C型希土類酸化物
研究概要

本申請研究では、優れた窒素酸化物(NOx)浄化触媒の開発を目的とし、白金などの貴金属や、アンモニアなどの還元剤を用いることなく、触媒との接触のみでNOxを無害な窒素と酸素に分解する直接分解触媒の開発を行ってきた。直接分解触媒としては、これまでにゼオライトやペロブスカイト型酸化物などが報告されてきたが、申請者は前年度までの研究により、立方晶C型構造を有する希土類酸化物が、とりわけ高いNOx浄化活性を示すことを報告してきた。当該年度は、これまでに開発した触媒の有用性の評価と、より詳細なNOx分解メカニズムの解明を目指して、触媒の高温耐久性や、より実排ガスに近い条件(ガスの流量や、共存ガスなど)における触媒活性の評価とともに、副生成物や触媒表面の吸着種などの詳細に検討を行った。
その結果、触媒を1000℃以上に加熱した場合や、900℃で3日間連続して浄化を行った場合も活性の低下は見られなかった。さらに、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いて、触媒反応の副生成物の解明を行ったところ、500℃以下の中温域では、わずかに二酸化窒素や一酸化二窒素が確認されたが、触媒が十分な活性を示す高温域では、ほとんど副生成物は生成されないことが明らかとなった。一方、反応ガスの流量を増加させることで、やや活性の低下が見られたが、従来条件の3倍以上のガスを流通させた際も、80%近いNOx浄化率を示すことが確認された。また、より詳細なNOx分解メカニズムを解明するために、立方晶C型構造を有する希土類酸化物のみならず、その他様々な構造をもった希土類酸化物の触媒活性およびその表面特性(NOx吸着種、粒子形状や各種ガスの脱離挙動など)を評価したところ、NOx直接分解反応には、触媒の粒子形状、塩基点の量、結晶構造、結晶格子の大きさが密接に関与していることを明らかとした。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Direct decomposition of nitrogen monoxide over C-type cubic Y_2O_3-Pr_6O_<11> solid solutions2014

    • 著者名/発表者名
      Soichiro Tsujimoto, et al.
    • 雑誌名

      RSC Advances

      巻: 4 ページ: 1146-1149

    • DOI

      10.1039/C3RA45077E

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct decomposition of nitrogen monoxide on (Ho, Zr, Pr)_2O_<3+δ> Catalysts2013

    • 著者名/発表者名
      Soichiro Tsujimoto, et al.
    • 雑誌名

      Catalysis Communications

      巻: 43 ページ: 84-87

    • DOI

      10.1016/j.catcom.2013.09.013

    • 査読あり
  • [学会発表] 立方晶C型希土類酸化物を母体とする触媒を用いたNO直接分解2013

    • 著者名/発表者名
      辻本 総一郎, et al.
    • 学会等名
      第113回 触媒討論会
    • 発表場所
      秋田大学 (秋田県秋田市)
    • 年月日
      20130918-20
  • [学会発表] Direct NO Decomposition of C-type Cubic Y203-Pr6011 Solid Solutions2013

    • 著者名/発表者名
      辻本 総一郎, et al.
    • 学会等名
      EUROPACAT 2013
    • 発表場所
      Lyon Convention Center
    • 年月日
      20130901-06
  • [学会発表] 立方晶C型Y_2O_3-Pr_6O_<11>複合酸化物触媒を用いたNO直接分解2013

    • 著者名/発表者名
      辻本 総一郎, et al.
    • 学会等名
      第30回 希土類討論会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(福岡県北九州市)
    • 年月日
      20130523-24

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公開日: 2015-07-15  

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