研究課題/領域番号 |
12J00445
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 真史 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 到達把握運動 / 手指姿勢 |
研究概要 |
ヒトは、タイピング中などあらゆる手指の姿勢からコーヒーカップに手を伸ばし、それを適切に手に取ることができる。この日常生活で当たり前のように行われる到達把握運動から、自己の身体状態および外部の環境に応じて、脳が適切に運動を制御していることが示唆される。しかしながら、それら自己身体の状態および外部の環境といった情報を、脳がどのように到達把握運動の計画および実行に組み込んでいるのかについては十分に明らかにされておらず、この点を解明することを目的に行動学的研究を行った。平成24年度は、電磁気センサによって取得された、様々な手指姿勢から行われる到達把握運動の運動学(キネマティクス)データの解析が行われた。その結果、運動開始時の手指姿勢に応じて、それぞれ特徴的な手の指間距離プロファイルが示されることが明らかになった(国際学術雑誌への投稿準備中)。しかしながら、本研究を進めるに従って、電磁気センサによるデータの取得は、経頭蓋磁気刺激装置など他の実験機器との同時使用には適していないことが次第に明らかとなった。そこで平成24年度中頃より、電磁気センサに代わる光学式動作解析装置を追加購入し、時空間的精度の高いキネマティクス測定を可能にするための実験準備を行った。平成24年度で、上述の光学式動作解析装置を使用して座標データを取得するための準備はほとんど完了し、予備実験において精度の高い座標データを取得、その解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、電磁気センサによって取得した運動学(キネマティクス)データの解析を行うとともに、国際学術雑誌への投稿準備を行った。光学式動作解析装置を追加購入し、その装置を用いて時空間的精度の高い運動学データを取得するための準備・予備実験を行った。したがって、平成24年度は概ね順調な進展を示したと判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、平成24年度に準備を行った国際学術雑誌への投稿・受理を目指すとともに、追加購入した光学式動作解析装置を用いた行動神経生理学実験を進める。その実験で得られた知見を国内学会大会で発表し、国際学術雑誌への投稿・受理を目指す。
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