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2013 年度 実績報告書

草の根保守運動の社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J00489
研究機関大阪大学

研究代表者

鈴木 彩加  大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード保守運動 / 家族の価値 / 日本遺族会 / 戦没者
研究概要

本年度の研究の目的は、排外主義運動が昨今台頭していることの要因をジェンダーの観点から考察することであった。この研究は、これまでの研究と異なる対象を扱うことで保守運動の女性参加者の多様性・複層性を示すことを意図していた。しかし、研究対象を拡大する前にこれまでの研究のさらなる深化を図るべく、本年度は当初の研究目的を変更し、保守運動において「家族の価値」という言論がいつ頃から、どのようにして語られるようになったのかを明らかにするための研究を行った。
昨今の保守運動では、「家族の価値」を重視する主張が数多くみられる。少子高齢化や離婚率・未婚率の上昇、あるいは家族形態の変化などの社会的状況をうけて、「あるべき家族の姿」を描く「家族の価値」言論は広く人々に訴える力を持っている。しかし、先行研究によれば、このときの「家族」とは性別役割分業をする夫婦と子どもから構成される家族が想定されているという。このような家族形態は日本では高度経済成長期に一般的にみられるようになったものである。
保守運動は「家族の価値」を以前から主張してきたと一般的に考えられているが、このような家族形態の変化を受けて、その言動も変化してきたと考えられる。本年度の研究では、日本遺族会を対象とし、日本遺族会の会報『日本遺族通信』にみられる家族に関する言論の変化を分析した。1949年から2009年までに掲載された記事のうち、家族に言及した記事約900件を抽出した。
国内の保守運動研究は緒についたばかりである。とくに「家族の価値」は、性別役割を肯定するものとしてフェミニズムからこれまでも批判されてきたが、その言論の構造や変遷についての実証研究は数少ない。本年度の研究は、国内の今後の保守運動研究にとって重要な知見を提示するものと考えられる。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 女性運動と行政の協働に関する一考察-縫田嘩子と男女共同参画ビジョンに着目して2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木彩加、関めぐみ、堀あきこ
    • 雑誌名

      女性学研究

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評 高橋哲哉・菱木政晴・森一弘著『殉教と殉国と信仰と』2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木彩加
    • 雑誌名

      女性・戦争・人権

      巻: 12 ページ: 108-113

  • [学会発表] 保守運動における女性の排除と再接合――日本会議と日本遺族会の事例から2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木彩加
    • 学会等名
      関西社会学会
    • 発表場所
      大谷大学(京都府京都市北区)
    • 年月日
      20130518-19

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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